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パルミラ遺跡の復興を シリアの研究者、橿考研で技術学ぶ 奈良

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パルミラ遺跡の復興を シリアの研究者、橿考研で技術学ぶ 奈良

 過激組織「イスラム国」(IS)によって破壊されたシリアの世界遺産・パルミラ遺跡(紀元前1~紀元後3世紀)の復興に役立てようと、建築と考古学を専門とする同国出身の女性研究者4人が、橿原考古学研究所(橿原市)で文化財の修復技術を学んでいる。8月10日に帰国するまで、橿考研と中部大学(愛知県)で研修を受ける予定だ。

 4人はいずれもシリア古物博物館総局に所属する、アリ・ヒバさん▽ハムダー・マリアさん▽リヤブ・アヘッドさん▽リーブ・マヤッサさん。先月15日に来日して以降、瓦など文化財の形や大きさを三次元レーザー計測機で測る研修を受けており、今後はドローンを使った写真撮影や測量技術も学ぶ。

 約20年にわたり、パルミラ遺跡の発掘調査に携わっている橿考研はシリアと関係が深く、国連開発計画から委託されて4人を受け入れた。研修費用は日本政府が負担するという。

 シリア内戦では文化遺産も甚大な被害を受けた。同国の中央部にあるパルミラ遺跡は平成27年、ISによって占領され、ベル神殿やバール・シャミン神殿、記念門のアーチなどが次々に破壊された。

 シリア政府は遺跡の復興を目指しており、壊れた石材をつなぎ合わせて再建する計画も浮上している。来日した4人は、同国政府の要望に基づく研修プログラムを受講。文化財の修復に当たる上で、極めて重要な任務を担っている。

 建築が専門のアリ・ヒバさん(29)は「(パルミラ遺跡などの)復興に携わることは私たちの義務であり、そのためにも重要な研修。文化遺産を将来に残していきたい」としている。