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北上・男児衰弱死 家庭訪問すべて空振り 「児相につなぐ必要あった」

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北上・男児衰弱死 家庭訪問すべて空振り 「児相につなぐ必要あった」

保護責任者遺棄致死事件を受け、北上市が開いた緊急記者会見=5日、岩手県北上市(石田征広撮影) 保護責任者遺棄致死事件を受け、北上市が開いた緊急記者会見=5日、岩手県北上市(石田征広撮影)

 北上市中心部から南に3キロ、小高い丘にある市営住宅に救急隊員が駆けつけたのは4月9日午前2時45分。玄関先では保護責任者遺棄致死容疑で5日、逮捕された解体作業員の高舘拳容疑者(25)が、体重約8キロのやせ細った1歳9カ月の長男、優人ちゃんを抱き、立ち尽くしていたという。

 「優人ちゃんの衣服が尿で濡れ、翌日も同じ服を着ている」

 北上市が5日に開いた記者会見によると、優人ちゃんの通っていた認可外保育園の園長から、県の指導監査に立ち会った市職員が異変を初めて知らされたのは2月27日のことだった。

 市では職員が3月上旬までに計3回、自宅を訪問。3月16日には職員が優人ちゃんの様子を直接確認し、保育園や母親にも電話などで連絡をとっていた。だが家庭訪問はすべて高舘容疑者が不在。留守番電話やメモにも反応がなかった。3月27日に市役所を訪れた保育士から別の異変について報告もあったが、高舘容疑者には接触できず、対応が後手になった。

 記者会見で市教育委員会の高橋謙輔教育部長は「生命の危機があると認識すべきだった。実態を把握して(県の)児童相談所につなぐ必要があった。反省して検証していきたい」と語った。

 高舘容疑者の自宅近くに住む主婦(39)は「本当にショック」と言葉を失った。半年ほど前に高舘容疑者が優人ちゃんを抱く母親に暴力を振るうような様子を見たといい、「母親が優人ちゃんをかばうようだった」と話した。