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リンさん殺害事件初公判 「見守り」安心を最優先

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リンさん殺害事件初公判 「見守り」安心を最優先

 松戸市立六実(むつみ)第二小3年のレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=が昨年3月に殺害された事件の裁判員裁判が4日、千葉地裁で始まった。殺人罪などに問われた渋谷恭正被告(47)は同小の元保護者会長。毎日のように通学路で見守り活動を行っていた人物の逮捕は地域の住民に大きな衝撃を与え、事件があった同市は見守り活動のあり方を大きく変えた。

 「おはよう。気をつけていってらっしゃい」

 「車が来ます。ちょっと待ってください」

 4日朝、「六実っ子安全安心見守り隊」の隊員証を首から下げた女性2人が、登校する小学生に声を掛けた。児童が女性たちに近づき、親しげにハイタッチを交わす。

 「見守り隊」は、リンさんが通っていた六実第二小の学区を含む六実・六高台地区の見守り活動を担当する。市の主導で昨年6月にスタートし、今年5月30日現在、37団体、1352人が加入する。市によると、発足以降、参加者の数は伸び続けている。

 ◆登録で協力者管理

 事件以前も、地域住民のボランティアによる見守り活動はあった。だが、安心を与えるはずの活動に渋谷被告が参加していたことから、保護者の間から誰でも参加できる方式への不安の声が続出。市は町内会や小中学校の保護者会などの団体を通じて登録しなければ見守り活動に参加できない仕組みに改め、協力者を管理できるようにした。

 同隊による活動の効果も出始めている。平成28年6~12月に15件だった六実周辺での子供や女性への声掛け事案は隊発足後の29年6~12月に4件へと激減。市は効果をさらに高めるため隊への参加者が増えることを期待する。

 ◆街中のカメラ活用

 見守り隊などの「人の目」に加え、防犯カメラやドライブレコーダーなど、街中のカメラを使った見守りの強化にも市は積極的に取り組んでいる。

 特にドライブレコーダーについては、事件当日、連れ去り現場付近を走行中の車のドライブレコーダーにリンさんに似た児童の背後に近づく不審な人物が写っており、これが容疑者を特定する重要な手掛かりになった。

 事件を受け、今年3月、市や同市を管轄する警察署は県警の要請で市内を走るごみ収集車が録画した映像を互いに融通し合えるようにする協定を市環境清掃協業組合との間で締結。市内を走る約100台のごみ収集車についても同月以降、ドライブレコーダーを、従来の振動を感知して録画するタイプのものから、走行中は全てを録画するタイプのものに切り替え始めた。

 市所有の公用車についてはほぼ全てに当たる266台へのドライブレコーダーの取り付けが完了し、既に運用が開始されている。