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京町家保存・活用の特例第1号「長江家住宅」に明治の風合い戻る

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京町家保存・活用の特例第1号「長江家住宅」に明治の風合い戻る

 京都市指定有形文化財の京町家「長江家住宅主屋北棟」(同市下京区)で、建設された明治初期の風合いを取り戻す復元工事が完了し、内部が公開された。改修や増築に際して防火や耐震面で建築基準法の適用を除外し、京町家の保存・活用を推進する同市の特例制度が初めて適用された。

 長江家住宅は、長江家が代々呉服商を営んできた京町家。木造2階建て、延べ約125平方メートルの主屋北棟は慶応4(1868)年に建築された。平成27年に不動産会社フージャースホールディングス(東京)が住宅を取得した。

 かつては玄関から中庭へと続く土間「通り庭」に沿って居室が並ぶ間取りだったが、昭和50年代に床をフローリングにするなど現代的に改装されていた。

 昨年8月から始まった工事では、長江家所蔵の文書や住宅に残る痕跡の調査を行い、洋室を座敷に戻すなど、建築時へ復元する作業が行われた。

 先月24日に行われた式典では、立命館大が工事の過程を記録した映像が上映されたほか、工事中に発見された創建当時の棟札などが披露された。8代目当主で、現在は茨城県つくば市に住む長江治男さん(85)は「伝統を残していくことはよいと思う」と室内を眺めながら話した。

 今後は、同社の研修や海外の取引先を招く際などに使用する予定。簡易宿所としての機能も備えており、宿泊施設としての活用も視野に入れているという。