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漁業の安全と豊漁祈願 冠島で伝統行事「雄島参り」 京都

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漁業の安全と豊漁祈願 冠島で伝統行事「雄島参り」 京都

 舞鶴市の沖合約10キロに浮かぶ国の天然記念物「冠島(別名・雄島)」の老人嶋(おいとしま)神社で1日、漁業の安全と豊漁を祈る伝統行事「雄島参り」が行われた。同市三浜、小橋(おばせ)、野原の3地区の漁業関係者ら計約200人が大漁旗で飾った漁船15隻で冠島に向かい、同神社に参拝した。

 老人嶋神社は若狭湾の漁民の信仰を集めており、雄島参りは江戸時代ごろから行われていたと伝わる。現在、冠島は無人島でオオミズナギドリの生息地として知られ、普段は島への上陸は許可されていないが、「雄島参り」では特別に許可される。祭礼は3地区が交代で当番を務め、毎年6月1日に営んでいる。

 今年は三浜地区が当番を務め、参拝客らは漁船から曳航(えいこう)してきた小舟に乗り換えて冠島に上陸。「奉納 老人嶋大明神」と書かれた赤いのぼりを神社に立てた。祭礼では神職が祝詞をあげ、各地区や漁協の代表らが玉串を奉納し、海の安全と豊漁を祈願した。

 地元の舞鶴市立大浦小学校は毎年、ふるさと学習の一環で雄島参りに参加しており、今年は6年生12人が同神社に参拝。市川凛さん(11)は「無人島にきたのは初めて。歴史を知ることができてよかった」と話していた。

 冠島では昨年10月の台風21号で、老人嶋神社に隣接する船玉神社の社殿が倒木のために破損。社殿に納められていた市有形民俗文化財の「和船」も一部が壊れた。今年5月に地区の住民らが特別に上陸して和船を近くの小屋に移し、今回の祭礼を実施した。

 今回、当番を務めた三浜区長の三浦長太郎さん(64)は「今回、安全に祭りが行われたことにホッとしています。船玉神社の修復は3地区で考えたい。神社周辺では老木が多く、今年も台風が心配です」などと話していた。