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和歌山・片男波干潟で潮干狩り…今秋10年ぶり試験実施 復活へ一歩

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和歌山・片男波干潟で潮干狩り…今秋10年ぶり試験実施 復活へ一歩

 天敵に食べられてアサリが激減したことを受け、平成20年を最後に潮干狩りを中止していた片男波(かたおなみ)干潟(和歌山市和歌浦南)でアサリの増加が確認されたため、今秋、試験的に10年ぶりの潮干狩りが行われることになった。また、県が貝毒の懸念からアサリなどの二枚貝を採って食べたり、出荷したりしないよう呼びかけていた自主規制も解除されたことから、市などと潮干狩り復活を目指す和歌浦漁業協同組合は30日、片男波でアサリの収穫を実施。これを販売することで片男波のアサリをPRし、潮干狩りの名所復活を目指す。

 片男波はかつて4~6月の潮干狩りシーズンに、県内外から多くの観光客が訪れていた。しかし、アサリが天敵アカエイやツメタガイなどに食べられる食害の影響で激減し、潮干狩りは中止に。同漁協などが「食害防止ネット」を設置し、復活に向けた取り組みを進めてきた。

 同漁協では29年春から地元の児童らに参加してもらい、潮干狩り体験を兼ねた個体数調査を実施。今年4月の調査では採取範囲を昨年より50平方メートル広げたとはいえ、アサリは昨年比10倍の約168キロ、ハマグリも約10キロ採れた。これを受け、同漁協などは試験的ながらも9月上旬をめどに潮干狩りの実施を決めた。

 一方、大阪湾や瀬戸内海で流行している麻痺(まひ)性貝毒の影響が片男波にも押し寄せ、今年2月に採取されたマガキから国の規制値を超える貝毒を検出。県の自主規制が行われたため、二枚貝を持ち帰って食べる機会には恵まれていなかった。

 その後、片男波での貝毒の数値が規制値を下回り、県が5月に自主規制を解除。同漁協は今が旬のアサリを販売してPRしようと収穫を行うことにした。

 この日はあいにくの雨の中、同漁協のメンバー10人が午前10時から約1時間半、75平方メートルの範囲で熊手を使い、次々とアサリを掘り出した。収穫されたアサリは砂抜き、計量などを経て、6月2、3日に和歌浦漁港の「おっとっと広場」で販売される。

 同漁協の横田邦雄副組合長は「アサリは今が一番おいしい時期で、貝毒の心配もあったが、なんとか間に合った。ぜひ食べてもらいたい」と話し、潮干狩り復活に協力してきた水産研究教育機構瀬戸内海区水産研究所の浜口昌巳干潟生産グループ長は「まだ量が少なく完全復活ではないが、一歩ずつ取り組みを進めたい」と期待を寄せた。