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香美町の1億円泉源いつ活用? 採算厳しく“放置”19年

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香美町の1億円泉源いつ活用? 採算厳しく“放置”19年

約1億円をかけて掘削した泉源。板に囲われ、外観からはわからない=香美町村岡区 約1億円をかけて掘削した泉源。板に囲われ、外観からはわからない=香美町村岡区

 香美町村岡区原地区で、旧村岡町が約1億円をかけて掘削した泉源の“放置”が続いている。「有効活用がない。検討している」として19年間、泉源は地下で眠ったまま。地元も「負担にならない使い道を」と温泉活用には消極的だ。

 香美町などによると、旧村岡町が平成5年から調査を始め、当時の原地区泉源開発が約1200メートルを掘削し、11年11月に地下温度50・2度、地上温度35・2度の温泉が湧出した。

 湯量は毎分309リットルで、香住区の日帰り施設「矢田川温泉」の同48リットル(23年調査)よりも多く、泉質は新温泉町の「七釜温泉」の療養泉に近いという。事業費は用地代も含めて1億901万円だった。

 泉源は、合併後の香美町にも「大きな問題」として引き継がれた。19年の町議会議事録では「泉源は活用されないまま休眠状態が続いている。放置するのか」との町議の質問に、当時の藤原久嗣町長は「温浴施設がふさわしいと結論が出されたが、採算は厳しい」と理解を求めている。22年には「長年そのままで、方向づけの時期ではないか」と議会で問われ、当時の長瀬幸夫町長は「多額の投資をしている泉源。観光振興の観点から引き続き検討したい」と答弁した。

 泉源は田んぼの中の町有地(約100平方メートル)で、板に囲われている。町によると、改めて温泉を湧出させるには、さびたパイプの交換やポンプ設置などで約5千万円かかるという。地元の小谷和夫区長は「地域は過疎化が進んでいる。地元の負担にならない方法で、泉源の活用を考えてもらえたら」と話している。