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フランス人に来県アピール 三島の女性起業家、浮世絵入りオリジナル地図作製

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フランス人に来県アピール 三島の女性起業家、浮世絵入りオリジナル地図作製

 2024年夏季五輪の開催都市となった仏・パリで静岡の良さを多くの人たちに知ってもらえたら-。このほど、三島市在住の女性起業家が、歌川広重の「東海道五十三次」を切り口に静岡を紹介する仏語のオリジナルマップを作製した。すでに、日仏両国の観光案内所などでフリーペーパーとして配布されており、静岡のPRに一役買っているという。(石原颯)

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 ユニークなマップを作製したのは、平成27年に三島市でコンサルタント会社「パピアパペル」を起業した日吉景子さん。仏に県内企業が海外進出する際のサポート事業を展開している。

 ◆街道こそ文化

 今回作製したマップは、縦約28センチ、横約42センチの大きさ。今年1月に完成した第1弾は現在の県全体の地図上に、慶長元年から続くとろろ汁店「丁子屋」など、「東海道五十三次」に描かれた6作品を配置。静岡の交通網も描いているため、地図に沿って旅をすれば歌川広重が見た景色を追体験できる仕掛けだ。

 第2弾は仏人に多いというサイクリング愛好家に着目。雄大な景観を持つ伊豆半島を舞台にした作品を配置し、自転車で巡ってもらう趣旨で作製した。

 東海道五十三次をテーマにしたのは、全作品のうち22作品が静岡に集中しているという理由もあるが、「フランスは街道が整備され、道を大事にする」という仏人ならではの文化を背景にしている。日吉さんは、「旅ができるとわかると訴求力が上がる」とマップにした意図を説明する。

 日吉さんと仏の縁は27年に仏で県内産手工芸品の展示即売会を開いたのが始まり。現在は日と仏を行き来しながら多数の催事の企画・プロデュースをこなす。

 マップを作製するに至ったのは、単発の即売会だけでは、いくら好評でも忘れられてしまい、定着できないと考えたから。県内老舗茶企業のブランド開発を手がけるなど活動範囲が広がる中で、マップによって「静岡」の認知度を高め、維持することで、県内企業が進出しやすい環境を整える狙いだ。

 観光地や商品をいたずらに紹介せず、デザインも部屋に飾れるような和を意識したものになっている。この配慮が仏人に響いたのか、通常「いらないと(フリーペーパーを)持って帰らない」とされる仏人が熟読し、持ち帰るという。

 ◆パリ五輪へ夢

 旅行代理店などからも好評。細かすぎず県や地域を見渡せるつくりのため静岡を知らない仏人への説明に使いやすいという。英語バージョンを追加してほしいという依頼もあり、今後さらなる展開も視野に入る。

 日吉さんの夢は、24年パリ大会で県内企業が躍進できる経路を作ること。現在、常設のブースを確保するなど、仏での販路拡大に努めている。

 「静岡の企業がコツコツやってきたことが海外から評価され、形になれば」。24年パリ大会に向け夢は広がっている。