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岸和田のシラス、地域ブランド目指す 大阪府内、全国へ認知度アップ

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岸和田のシラス、地域ブランド目指す 大阪府内、全国へ認知度アップ

 大阪湾で、カタクチイワシの稚魚であるシラス漁が始まり、岸和田市の岸和田漁港では、漁師や買い付けの加工業者らでにぎわっている。岸和田は多くのシラスが水揚げされる地域だが、府内に出回ることが少なかったため、4年前に漁港内に競り場を設置。漁協関係者は「まず府内で認知度を高め、岸和田の『地域ブランド』として全国に広めていきたい」と張り切っている。

 岸和田漁港では今月中旬、夜明けとともに漁に出ていた漁船が次々に帰港し、かごいっぱいのシラスを運び込んだ。太陽に反射し、輝いていた。府内外から訪れた加工業者らが大きさを確認し、目当てのシラスを競り落とした。

 競り場などを運営する府鰮巾着網漁業協同組合(岸和田市)によると、シラス漁は毎年春から年末にかけて行われ、今年は今月8日に解禁された。「春シラス」は、脂がのった甘みが特徴という。

 岸和田はシラスだけでなく、海の幸に恵まれた地域だ。農林水産省によると、平成28年のシラスを含めた府内漁獲量は1万8254トンで、このうち、同漁協など岸和田市の3組合だけで、約8割の1万4408トンを占める。大阪湾で取れたシラスの多くが、岸和田漁港で水揚げされている。

 だが、この岸和田市のシラスは長らく、地元に出回る機会は少なかったという。シラスを取る漁師たちは、競りなどを介さず、兵庫や和歌山の仲買人らと直接取引していたためだ。直接取引は、価格の変動が大きかったという。

 このため、同漁協は「岸和田のシラスを地域ブランドとして根付かせたい」と、平成26年に岸和田漁港に競り場を設置。府内外の加工業者が、水揚げされたシラスを見比べて買い付けできるようになったほか、競りによって価格が以前より安定したという。

 また、各漁船が沖で取ったシラスを、同漁協の船がその場で預かり、港まで運搬するサービスを開始。漁獲後すぐのシラスが港に届けられるようになり、競り場そばに立地する組合の直営店では、新鮮な「生しらす丼」を提供している。

 大阪湾のシラス漁は6~7月ごろ、ピークを迎える。同漁協の岡修組合長(68)は「鮮度のよいシラスを多くの人に食べてほしい」と話す。(森西勇太)