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猪鹿垣の時代背景解説 構築で村人ら協力 小豆島で「考える会」

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猪鹿垣の時代背景解説 構築で村人ら協力 小豆島で「考える会」

 江戸初期に小豆島(香川県)で農作物を野生動物による食害から守るために築かれた「猪鹿垣(ししがき)」の調査研究を続けている「小豆島の猪鹿垣を考える会」(川井和朗会長)は、土庄町の中央公民館で総会を開き、約40人が出席。会員の中村利夫さんが猪鹿垣構築の時代背景を発表した。

 中村さんは、猪鹿垣の実測などの現地調査に加え、島内各地の農家に残る古文書や小豆郡誌などの解読も併せて進め、猪鹿垣の構築が必要となった時代背景などを調べた結果を話した。

 まず、江戸幕府は慶長10(1605)年と延宝年間(1673~81年)に、年貢を徴収する基本となる検地を小豆島で実施。延宝検地を境に農地や農民の管理が厳しくなったことや、飢饉(ききん)に備えてのサツマイモの栽培や塩づくり、菜種の栽培が始まったことなどを説明。

 その上で「農民が村単位で年貢を集めて納める『村請け』により、村人たちが協力して農地を守るようになったことで、集落周辺を囲む猪鹿垣を自費で構築する必要が生じた」と解説。さらに、村単位だけでなく周辺の村とグループ化してより広い範囲を囲む猪鹿垣の存在や、その構築に約10年を要していたことも紹介した。

 同会では土庄町内で平成5~24年の間に延べ45日、243人が参加して約40キロにわたる猪鹿垣を調査・実測しており、19日の総会会場に写真や地図などの資料を展示した。川井会長は「活動内容を広報する方法を考え、より多くの人に猪鹿垣を知ってもらいたい」と話した。