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たたら製鉄100年ぶり操業 雲南、「田部」の従業員らが体験

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たたら製鉄100年ぶり操業 雲南、「田部」の従業員らが体験

 江戸時代にたたら製鉄業で栄えた田部家の流れをくむ企業「田部」(島根県雲南市吉田町)が22日、同町の「鉄の歴史村地域振興事業団」が持つ近代たたらを使い、約100年ぶりに操業を始めた。従業員らが作業を続け、23日に「●(けら)」と呼ばれる粗鋼を取り出す。

 操業は、江戸時代に使われていた近世たたらより製法や構造が簡単な同事業団の和鋼生産研究開発施設を使用。施設内でこの日朝、火入れの神事が営まれ、特別に出雲大社(同県出雲市)から運ばれた火を使って操業中の無事を祈った。

 このあと、操業開始。従業員らは、同事業団職員らの指導を受けながら、炉に木炭や砂鉄を投入したり、「ノロ」と呼ばれる鉄かすを出したりする作業を、交代しながら夜通し続けた。

 「自社のDNAともいえる『たたら製鉄』の文化を社内で共有したい」との思いから、20~50代の従業員20人が作業を体験。田部家当主で同社社長を務める田部長右衛門氏は炉を見つめながら、「100年間ほど途絶えていた田部のたたらの火が、まさに今日ともった。ここで年間に数回、操業を経験させてもらいながら、いずれ自前のたたら場を再興したい」と思いを新たにしていた。

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 たたら製鉄を再開させた同社の呼びかけで、地元の産官学が連携して「たたらの里づくりプロジェクト推進協議会」が23日、発足する。たたら製鉄の操業で本格的な地方創生事業を進めていく考え。

●=金へんに母