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自販機であつあつグルメ 「懐かしの味」人気 徳島

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自販機であつあつグルメ 「懐かしの味」人気 徳島

 今では数少なくなったうどんやカレーの自動販売機が並ぶ店が人気を集めている。徳島県阿波市の県道沿いにある「コインスナック御所24」。テレビ番組やインターネットで取り上げられて話題となり、「懐かしい味」を求める人が遠方からも訪れる。

 ドライブインのような店には、約20台の自販機がずらり。飲み物はもちろん、ガムや手袋が買えるものまである。人気のうどんはきつねと天ぷらの2種類で、どちらも250円。ボタンを押すと、機械の中で麺が湯通しされ、だしが注がれて完成。25秒で熱々の一杯が食べられる。

 広島県福山市から来た自営業、池畑英司さん(45)は自分の車のそばでうどんをすすり、「子供の頃を思い出す懐かしい味。こういう自販機が少なくなっているのは寂しい」としみじみと語った。

 店主の吉本忠さん(75)が店を開いたのは約40年前。コンビニはまだ普及しておらず、広い駐車場を備えた年中無休、24時間営業の店は繁盛した。うどんやカレーの自販機は開店当初に購入したものだが、まだ現役という。

 カレーは300円を入れてボタンを押すと、ご飯の入ったプラスチック容器とレトルトパックが紙に包まれて出てくる。保温されていてほかほか。ご飯は吉本さんが毎日炊いて補充している。

 機械の老朽化が進み、故障やお金の詰まりも度々起きる。吉本さんは対応できるよう一日のほとんどを店の横の事務所で過ごす。「自販機なら放っておいてもいいと思って始めたけど逆だった。トラブルに対応しないといかんから、ここを離れられん」と笑う。

 コンビニが各地にできたことなどで、売り上げは全盛期の10分の1ほどに減った。カレーの自販機は専用の部品が手に入らなくなったら、販売を終了する予定という。吉本さんは「珍しがってお客さんが来てくれるのがうれしい。体が続く限り店を続けていきたい」と話している。