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春の叙勲に静岡県内から83人

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春の叙勲に静岡県内から83人

 地方自治や教育文化、福祉など各分野で功績のあった人を称える平成30年「春の叙勲」受章者が29日付で発令され、県内からは83人が選ばれた。内訳は旭日中綬章1人▽旭日小綬章7人▽旭日双光章15人▽旭日単光章3人▽瑞宝中綬章4人▽瑞宝小綬章10人▽瑞宝双光章26人▽瑞宝単光章17人。このうち、瑞宝双光章を受章した岡田美智子さん(65)に喜びの声を聞いた。

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 □瑞宝双光章 岡田美智子さん(65) 元静岡市立静岡病院看護部長

 ■患者の笑顔に支えられ

 「驚きました。多くの先輩たちがいる中で本当に私が頂いていいのかしらと思いました。これまで支えてくれた家族、先輩や後輩、そして患者さんたちに感謝します」

 生まれ育ったのは静岡市葵区長沼。他の生徒と同じように進路に悩む時期を迎えた高校2年生の時、「進学か就職か。学校の先生になることも考えた」と回顧する。思案に暮れる日々を送る中、同級生の姉の看護師の姿を見た。「てきぱきした振る舞いと凜(りん)とした姿に憧れた」「私にふさわしい。人に役に立つ仕事だ」と決断し、看護の道を選んだ。

 高校を卒業して昭和46年4月、市立看護学校2期生で入学、3年間の勉学の後に国家試験を取得し念願の看護師に。最初の勤務が市立静岡病院となり、49年4月から定年を経て平成29年3月までの43年間勤務した。この間、婦長などを歴任して19年4月から看護部長を6年間務めた。夜勤もあり厳しい業務を長く続けてきた看護の道を振り返るといろいろな出来事が走馬燈のようによみがえる。

 「患者さんが笑顔で退院していくのがとってもうれしい。治療の甲斐なく亡くなると本当に、家族への言葉を失うほど悲しく、辛くて…」。集中治療室を担当していたときのこと。生後6カ月で心臓病を患っていた男の子が1歳の誕生日を集中治療室で迎えることになり、ケーキをプレゼントした。その男の子が退院し、20年余を過ぎて何と自分の子供を抱きながら家族と一緒に外来で訪れたのだ。「一緒にいた母親から教えられ、あの時のお子さんだと知りました。元気になって本当によかった」と良き思い出に浸る。

 好きな言葉は中学時代に読んだ『ジェーン・エア』につづられた「成功は努力に比例する」。現在は市内の静清リハビリテーション病院で総看護部長として勤務しており、「患者さんと向かい合い、倫理観をもって対応してほしい」と笑顔で後輩にエールを送る。 (小串文人)