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沼津市長選候補者の主張 鉄道高架化めぐり論戦

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沼津市長選候補者の主張 鉄道高架化めぐり論戦

 大沼明穂市長の死去に伴う沼津市長選(29日投開票)は、JR沼津駅の鉄道高架化事業を最大の争点に、元市議の山下富美子氏(64)▽元市議の加藤元章氏(54)▽人材派遣会社社長の渡辺大輔氏(36)▽元市議の頼重秀一氏(49)▽道路企画会社会長の土倉章晴氏(73)の無所属新人5氏が、それぞれの政策を訴えている。後援会組織や支援団体のある元市議3氏が頭一つリードしているものの、準備期間が短く鉄道高架化推進派が一本化できなかったなど、各陣営とも有権者の動向を読み切れていない。鉄道高架化や地域活性化策など、各候補者の主張をまとめた。

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 ◆山下富美子氏 JR沼津駅の鉄道高架化事業には「財政的に非常に厳しい。徹底した情報開示をすべきだ」と、一貫して反対の立場をとる。代替案として、駅を橋上化し、南北の自由通路をつくることを主張する。

 公約の中心は、政策決定過程を市民に公開する市政の透明化と老朽化する市役所やごみ焼却施設の建て替えなど。重点政策には子育て支援と福祉の充実を打ち出し、学校給食の無料化や子育て包括支援センターの設立などを提案して、唯一の女性候補として女性や子育て世代への浸透を図る。

 ◆加藤元章氏 大手自動車会社出身の経歴を生かし、「“株式会社沼津市”として税収を稼ぎ、良いサービスを提供しなければ」と企業経営の視点を取り入れた市政を目指す。その根幹となる中心市街地再生策の一環として、鉄道高架化には賛成し、駅南口の再開発も推進。地場産業や中小企業の振興にも積極的だ。

 また、「沼津の素晴らしい資産である海、川、山に磨きをかけて工夫し、香貫山や狩野川にたくさんの人が来るまちづくりをしたい」と、道の駅プロジェクトの推進などで年間600万人の観光客誘致を目標に掲げる。

 ◆渡辺大輔氏 唯一、鉄道高架化への賛否を明確にせず、「飛び込んでみなければ分からない。検証作業を進めたい」と中立の立場で臨む。

 政策の中心には、生活困窮者への自立支援による人口と税収の増加策を据える。具体的には、生活困窮者の就労を手助けする企業への固定資産税免除や貧困世帯の子供への学習支援、企業主導型保育園の設置を進める。「困っている人に『沼津に来れば助かる』とアピールし、20年後に人口が倍増する基礎をつくりたい」と意気込む。

 ◆頼重秀一氏 「鉄道高架化は沼津駅周辺の総合整備事業の背骨のようなもの。貨物駅用地の強制収用に向けた調査も粛々と進めたい」と、高架化に全面的に賛成する。

 大学での専攻は都市計画。「活力あるまちづくりに向けて一生懸命取り組みたい」と、中心市街地活性化に意欲をみなぎらせ、原・西部地域を「道の駅」として整備して企業誘致を図る。また、子育て世代を代表し、学校へのエアコンや洋式トイレの整備、鉄道の高架下への保育園の設置などを提案する。

 ◆土倉章晴氏 「鉄道の高架化に比べてコストが半分で済み、耐震性向上や交通事故防止につながる」として、JR東海道線の東田子の浦-函南駅間の地下鉄化を主張する。実現すれば、沿線の全ての踏切を撤去でき、地下の駅や施設を災害時の避難場所として利用できるメリットも強調する。

 その上で、沼津駅に隣接する地下に1千台分の無料駐車場を設置して中心市街地の活性化を図り、駅周辺に定時制大学などを創設して教育の機会確保と人材育成につなげるなど、沼津駅を町の“顔”として発展させる構想を描く。