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福井県、無花粉スギ開発 種子を苗木生産者に供給へ

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福井県、無花粉スギ開発 種子を苗木生産者に供給へ

 県総合グリーンセンター(坂井市丸岡町楽間)の林業試験部は24日、雄花をつけるが花粉が飛散しない「無花粉スギ」を開発したと発表した。今年度から同センター内にビニールハウス採種園を造成し、増産に着手する。

 平成32年度までに愛称を決め、苗木生産者へ種子を供給する予定で、35年には千本ほどの苗木を生産できる見込み。41年度までに2万5千本分の苗が生産できるよう種子を供給する計画だ。無花粉スギは福井県を含め計11県で開発され、このうち3県で苗木を出荷しているという。

 同部は、多くの国民がスギ花粉症に悩まされていることから花粉症対策として18年度に県産の無花粉スギの開発に着手した。まっすぐ太く成長し形質がよい県産スギ(雄花)と、劣性遺伝子の無花粉遺伝子を持つ富山県産無花粉スギ(雌花)を使って人工交配、無花粉遺伝子を半分持つ雑種を作った。

 雑種だけでは無花粉スギにならないため同様の方法で交配して作った別の雑種とも交配し、900本の雑種を作った。うち雄花の花粉が葯(やく)(袋)の中でつぶれて溶けたような状態の無花粉スギ253本を確認した。

 また、無花粉スギをもとに種を多く取るため、無花粉遺伝子を半分持つ石川県産(珠洲地方)スギと人工交配した。この結果、採取した種から育苗した苗の半数が無花粉スギになった。

 廣瀬直人主任研究員は「育種するのに11年かかった。外部のスギの影響を受けずにハウス採種園で確実に人工交配して採種したい」と話した。同部は山際のスギから無花粉スギに換えていく考えだ。