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陶芸家・半泥子の作品ずらり 津の石水博物館で企画展

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陶芸家・半泥子の作品ずらり 津の石水博物館で企画展

 津市垂水の石水(せきすい)博物館で、同館創設者で第6代百五銀行頭取の陶芸家、川喜田半泥子(かわきたはんでいし)(1878~1963年)が、影響を受けた元の作品と自身の模倣作品などを集めた「生誕140年記念企画展I 川喜田半泥子と茶の湯の焼きもの」が始まった。7月8日まで。

 半泥子の生家の川喜田家は江戸時代初期から江戸に木綿問屋を営む豪商で、歴代当主はさまざまな文化活動に身を置き、茶道具や美術品などたくさんの逸品を所蔵。半泥子も幼いころから茶道に親しみ焼き物に興味を持ち、大正時代初期に津市に窯を構え作陶に没頭し始めた。

 企画展では、半泥子に影響を与えた朝鮮王朝時代の作品や桃山時代の古伊賀などのほか、これらの模倣の経験を越え、自らの作風を確立していった生涯の作品約110点をそろえた。

 半泥子が最も愛した所蔵品の「古伊賀水指 銘 鬼の首」は半泥子が京都の美術商に懇願してやっと手に入れた水指で、県指定文化財。伊賀焼特有のビードロ釉が美しい作品で、半泥子が入手後、「金婚式に招かれし日に割愛され、嬉(うれ)しさに鬼の首をとって帰るや五月晴れ」との感想を持ったことから「鬼の首」と命名された。この作品を模して作ったとされる「伊賀水指」も近くに展示され比較できるようになっている。

 このほか奇抜で斬新な形や文様の茶器の織部焼と模倣品を並べ、ユーモア心があふれる半泥子の作品などを紹介している。

 龍泉寺由佳主任学芸員は「半泥子の作陶の原点の茶の湯文化が、半泥子に与えた芸術観を楽しんでほしい」と話している。