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田舎風もてなしに感激 名張・青蓮寺で外国人客、料理に舌鼓

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田舎風もてなしに感激 名張・青蓮寺で外国人客、料理に舌鼓

 海外の旅行会社が企画したパッケージツアーの行程に名張市の地蔵院青蓮寺が組み込まれ、欧米富裕層の団体客が今月13日に訪れた。同市と奈良県の宇陀市、曽爾村、御杖村、山添村、東吉野村の2市4村が昨年3月に設立した東奈良名張ツーリズム・マーケティング(ENN)によるインバウンド誘客の最初の成果。団体客らはもてなしに感激していた。

 英国旅行会社大手のトラファルガーが企画した9日間のツアーで、英国、米国、豪州などから20人が参加。大阪市内を観光して和歌山県の高野山や白浜など紀伊半島を巡り、三重県内では伊勢神宮を訪れて伊勢志摩サミット会場の志摩観光ホテルに2泊。そこから伊賀市の伊賀流忍者博物館に寄って京都に向かう行程の中に、青蓮寺での昼食が組み込まれた。

 青蓮寺では地元団体が日本舞踊を披露し、庫裏では主婦らが手作りの筑前煮や山菜の天ぷら、いちご大福などの料理でもてなした。訪日客らは日本酒も堪能して感激しきりの様子。耕野一仁住職(69)は「おおらかな田舎風のもてなしだったが、これほど喜んでもらえるとは思わなかった」と話す。

 訪日団体誘客のきっかけは、ENNの設立に向けて動いていた関係者が平成28年9月、東京で開催された旅行商品の商談会で東奈良名張地域を「日本の伝統文化を総合的に体験できる」と売り込み、旅行会社大手の近畿日本ツーリスト(近ツー)を通じてトラファルガーの企画に採用された。

 海外の旅行商品開発を手がけてきた元近ツー社員で、先月までENN事業部長を務めた名張市在住の渡辺徹氏(70)によると、とくに欧米の富裕層は日本の生活文化や「静寂」への関心が高い。青蓮寺を選んだのは、里山の景観や歴史文化を肌で感じてもらう狙いからという。

 渡辺氏は「意図したインバウンド誘客は今回が初めてだったが、外国人客には心から満足してもらえた。日本の生活文化に深入りできる訪日客向けツアーは珍しく、これを突破口にして展開したい。地元にとっては普通でも、外国人の心を揺さぶるものに気づくことが重要だ」と話している。