産経ニュース

捕獲した有害鳥獣 微生物で分解 大野で処理施設稼働

地方 地方

記事詳細

更新


捕獲した有害鳥獣 微生物で分解 大野で処理施設稼働

 大野市鳥獣害対策協議会が導入を進めていた有害鳥獣分解処理装置施設(同市木本)の稼働式が、20日に行われた。イノシシなど捕獲した有害鳥獣をまるごとおがくずの微生物の力で分解する装置で、導入は全国で初めてという。猟友会員らでつくる捕獲隊員の作業負担の軽減とコストの削減が図られ、有害鳥獣対策が進むことが期待される。

 有害鳥獣による農作物や山林の被害は年々増え、捕獲頭数も平成29年度はイノシシ239頭(前年度174頭)、ニホンジカ360頭(337頭)と前年度を上回った。捕獲した有害鳥獣は土中に埋める処理や解体して小動物用の焼却処理などをしなければならず、労力負担などが課題となっていた。

 処理装置は、九頭竜森林組合が所有する旧バーク製炭工場の鉄骨平屋建ての建物内に2基設置。1基の大きさは幅1・2メートル、高さ1・4メートル、長さ7・2メートルの鋼製直方体(重さ4・5トン)で内部が発酵槽になっている。イノシシをまるごと発酵槽に入れ、おがくずと混ぜ合わせ、スクリューによる攪拌(かくはん)と加熱(約60度)、おがくずの微生物で分解処理を速く行う。1基あたり一度に最大でイノシシやニホンジカ6~8頭(重量で約300キロ)を投入できる。イノシシは約6~9日、シカは約10~14日で分解処理ができ、年間約400頭の処理能力がある。捕獲した有害鳥獣を入れる冷蔵庫と骨の粉砕機などもある。事業費は約5千万円。同市や関係区長会、森林組合などで構成する同協議会が運営する。

 稼働式には、岡田高大大野市長ら約40人が出席。同協議会の黒田宗雲会長が「市民らの協力を得て県内一、被害の少ない市にしたい」とあいさつした。