産経ニュース

【備える】物資受け入れ 熊本地震の教訓 「静岡県広域受援計画」改定

地方 地方

記事詳細

更新

【備える】
物資受け入れ 熊本地震の教訓 「静岡県広域受援計画」改定

 ■「プッシュ型」対応へ拠点再編

 県は南海トラフ巨大地震発生時に県外から応援を受け入れる態勢をまとめた「県広域受援計画」を改定した。被災地からの要請を待たず国が支援物資を送る「プッシュ型」支援の受け入れ窓口となる広域物資輸送拠点として、下田市内の民間施設を新たに選定。沼津市内の拠点を1カ所から2カ所に増やし伊東市から小山町までをカバーするなど、県東部と賀茂地域の拠点を再編したことが柱だ。

 物資の配送が遅滞した熊本地震の教訓を踏まえ、国が「南海トラフ地震の応急対策活動計画」を修正したことを受けた措置で、県の受援計画が改定されるのは平成28年3月の計画策定以来初めて。国の計画の修正でプッシュ型支援の対象品目が増えたことなどから、県は大量の物資を効率よく仕分けできるよう、広域物資輸送拠点の見直しと広域拠点が使用不能になった際の代替施設の選定を行った。

 具体的には、大量の物資をさばくスペースが確保できないと判断された「姫の沢公園」(熱海市)の指定を取り消し、県東部の拠点を沼津市郊外の「愛鷹広域公園」に集約。想定避難者が多い沼津市は他の市町と切り離し、市中心部の展示場「キラメッセぬまづ」を新たに同市単独の広域物資輸送拠点に指定した。

 さらに、従来は愛鷹広域公園から物資を運ぶ計画だった賀茂地域の6市町について、地震で道路が寸断される恐れなどを考慮し、輸送距離を短縮できる下田市内に広域物資輸送拠点を置くことを決定。賀茂地域には広大な荷さばきスペースを持つ公共施設がなく、拠点選定が難航していたが、最終的に民間事業者の協力を得て民間施設を利用することに落ち着いた。

 代替施設には県下全域の公共施設11カ所と民間から西濃運輸の2営業所を選び、全県を網羅する代替施設として広域防災拠点にもなっている静岡空港の利用を盛り込んだ。

 県危機対策課では、「国の計画にも県の計画にも、まだ具体性に欠ける点は多い。プッシュ型支援だけでなく、従来のような被災地からの要請に基づく支援物資受け入れにも円滑に対応できるよう、計画を細かく見直して実効性あるものにしていきたい」と話している。

 このほか、改定された県の受援計画には、災害時の情報収集に活用が見込まれる小型無人機「ドローン」の運航規定も記載。災害時に航空法の適用除外を受けて運用する場合は、原則として高度150メートル未満を飛行させ、有人航空機の飛行を妨げないことなどが明記された。