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【みちのく会社訪問】カイセイ(山形県寒河江市) 6次産業化 唐辛子が人気

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【みちのく会社訪問】
カイセイ(山形県寒河江市) 6次産業化 唐辛子が人気

 清掃会社のリプライ(寒河江市石田)が運営する重度障害者を雇用するカイセイ(安藤博章社長)は、「障害者に働く場を提供しよう」と平成24年度に開所。唐辛子の生産、加工、販売までを行う6次産業化の主力商品が、一味の「さがえ唐辛子」だ。

 「競合の少ないトウガラシで商品化を目指した」(安藤社長)と、寒河江市内を中心に26年に発売を開始したが、口コミで広がり、いまでは京都や九州から注文が来るほどに成長、市内有数の6次産業企業の一つだ。

 春に植えたトウガラシの苗を農作業班が無農薬で育て、収穫後は加工班が乾燥させて粉砕、瓶詰めしていく。その過程を障害者が担い一貫生産していく。同社管理者の武田歩さん(39)は「大切なのは障害者への伝え方なんです。どうやって仕事の進め方を伝えるか。指導ではないんです、伝え方なんです。それ次第で仕事の進み方が違ってくる」という。

 「実際の作業で起こす失敗を責めるのではなく、ステップの一つと見る」(武田さん)というのも同社の長年の経験から生み出された哲学でもある。さがえ唐辛子の生産量は、当初の年間1千本をはるかに超え、いまでは1万本以上に。

 安藤社長が始めた障害者雇用の長年の経験が居心地よい社風を生み出してもいる。安藤社長はいう。

 「障害者が作るから売れるのではありません。一般の商品として力があるから売れている」 (柏崎幸三)

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 ◆安藤博章社長(69) 障害者が働きやすい環境づくり

 --トウガラシにこだわったのは

 「最初は、農家にトウガラシの生産を頼もうかとも思いました。ですがやはり一貫生産をしていこうと思い直し、私の土地を農地にし、苗を植えてトウガラシを作っています。収穫したトウガラシをそのまま使うのではなく、商品を作ろうと。ただ、売れる商品をつくっていかないと意味がない。その第1号が『さがえ唐辛子』。丁寧に作っているだけに、おいしく香り高い一味に仕上がっています」

 --さがえ唐辛子をつくる過程で、他の商品も生まれてきた

 「さがえ唐辛子一品にとどまらず、その3倍の辛さの『さがえ唐辛子 茜色』。そしてこのトウガラシを使い、食べるしょうゆの実『さがえカララ』、唐辛子煎餅『こころ辛』もあります。収穫したトウガラシの約9割を商品生産に向けられるようになり、商品生産の過程で出るロスが減りました。このさがえ唐辛子を寒河江市の名物にしたいと思っています」

 --障害者雇用の将来性は

 「そのためには障害者の人たちが働きやすい環境づくりが必要です。現在は、当社へは通勤できていますが、障害者が自分の体調に合わせ、また日常生活に不安がないよう安心して働き、生活できる場としてグループホームのような施設を作りたいと考えています。これからも障害者の人たちが安心して働ける環境づくりを進めていきたい」

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◆企業データ

 山形県寒河江市中央工業団地178。資本金600万円。売上高1億2500万円(平成29年度)。主要品目は、さがえ唐辛子(400円)、さがえ唐辛子入り食べるしょうゆの実「さがえカララ」(600円)、「さがえ唐辛子 茜色」(1000円)、「季節のドライフルーツ」(200~300円)(電)0237・85・0511。