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クセなし、鯨肉料理で誘客 牡鹿半島・鮎川浜で8メニュー試食会 宮城

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クセなし、鯨肉料理で誘客 牡鹿半島・鮎川浜で8メニュー試食会 宮城

 東日本大震災で被災した牡鹿半島の先端に位置し、捕鯨で栄えた石巻市鮎川浜で鯨肉料理の試食会が行われた。地元の飲食店や民宿などの事業者は、鯨独特のクセを抑えるべく工夫をこらした自慢の鯨肉料理を持ち寄り、関係者に振る舞った。

 先月28日の試食会には約50人が集まり、亀山紘市長も出席した。鯨肉を使ったカツやサラダ、ちらし寿司(ずし)、トルティーヤなど8つの料理が提供された。招かれた関係者らはそれぞれの味や見た目などを確認し、いつ、どこで食べたいか、といったアンケートに回答していた。同日振る舞われたメニューはイベントなどで提供されるという。

 鮎川地区には古くから捕鯨基地があり、地域の人は鯨肉に親しんできた。しかし、震災の津波ではこの地区でも大きな被害があり、人口は急減した。

 主催した鮎川港まちづくり協議会は地元事業者らからなり、震災後に観光客の誘致を目的に設立された。鯨肉の魅力を多くの人に伝えようと、そのままだと気になる人もいる鯨肉の調理法について勉強会を重ねてきた。

 「鯨のレアステーキ」を振る舞った、地元のホテルの料理長、奥山正彦さん(64)は「クセなく食べられるよう、ワインや香草と漬け込み、レアにローストし、ソースはマスタードがベース。私たちが昔から食べている鯨肉を、若い人にも食べてもらいたい」と述べた。

 それぞれの料理の評判はよく、生まれも育ちも牡鹿という団体職員、木村富雄さん(62)は「くじらのベーコンサラダ」がお気に入り。「普通のベーコンよりあっさりしていた。私たちは子供の頃から焼いたり煮たりしたりして食べていたが、地元の食べ方だけでは、鯨食文化は広がらない」と話した。

 同地区では、平成31年9月の完成を目指し、観光などの拠点施設の建設準備も進んでいる。協議会の斎藤富嗣会長は「鯨肉料理は、女性や子供もターゲット。味はもちろん、盛りつけや色合いも大事だ。人を呼ぶためにレシピを共有していきたい」と話した。(林修太郎)