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ブランド柿「輝太郎」県外拡散の恐れ 鳥取県、品種交配でミス 栽培大幅拡大へ

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ブランド柿「輝太郎」県外拡散の恐れ 鳥取県、品種交配でミス 栽培大幅拡大へ

 鳥取県が育成し、県内で独占生産されているブランド柿「輝太郎(きたろう)」をめぐり、育種での使用が禁じられた期間中の品種で交配されていたミスが発覚した。今後は同県が権利を独占できず、栽培地域が拡散する恐れが出てきたため、県では県外生産が本格化する前に県内での栽培を大幅に拡大し、人気品種のブランド維持を図る考えだ。

 輝太郎は、9月下旬頃から出荷される極早生(わせ)の甘柿。この時期の甘柿は希少なため高単価で、県内産柿としては最上位品種の一つになっている。

 県園芸試験場が、「宗田(そうだ)早生」と、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(農研機構、茨城県)が育成した「安芸津(あきつ)14号」の2種類の柿を交配して育成し、平成22年に品種登録された。しかし、交配が行われた11年当時、安芸津14号は地域別の栽培特性などを調べる試験中で、農研機構は育種などでの使用を禁じていた。

 同試験場職員が一昨年に出した学術論文から農研機構がこのミスを知り、昨年11月、県に指摘。県と農研機構が協議した結果、県が保有する輝太郎の権利を県と農研機構の共同保有に変更することで合意した。このため今年11月末以降、県外でも輝太郎の苗木生産が可能になる見通しだ。

 県ではミスについて「ルールを知らなかったか、忘れていたとしか考えられない」と釈明している。

 輝太郎は、県内の栽培面積が急速に伸びており、29年3月末時点では37ヘクタール。県では、県外で輝太郎の果実が本格生産されるまでには今後10年程度かかるとみている。その間、県内の栽培面積を80~100ヘクタールまで拡大するなどの各種対策をとり、「揺るぎない主産県の地位を確立する」としている。