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公示地価 宮城の沿岸被災地は下落傾向

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公示地価 宮城の沿岸被災地は下落傾向

 東日本大震災での不動産需要増に続き、「札(幌)仙(台)広(島)福(岡)」と呼ばれるブロック中心都市の一角としてファンドなどの投資対象として好まれ、近年注目を浴びる仙台市。平成30年も宮城県内の地価を住宅地、商業地ともに牽引(けんいん)、隣接する富谷市で住宅地が4・6%上昇するなど周辺の地価も押し上げている。

 一方、沿岸被災地の石巻市、南三陸町などは住宅地でそれぞれ地価が0・1%、1・9%下落、上昇や横ばいからマイナスに転じた。被災地でも、仙台市に近い名取市では4・2%上昇、多賀城市でも1・1%上がり、「仙台への近さ」の影響が顕著だ。

 不動産鑑定士の千葉和俊氏は、沿岸被災地での住宅地価格の下落原因を、(1)災害公営住宅が整備され被災者の需要がなくなってきている(2)高齢化と人口流出で一般的住宅需要層の子育て世代の厚みがなくなってきている-と分析する。

 仙台市の住宅地では昨年、地下鉄東西線の開通効果継続で上昇率全国10位以内に7地点が入ったが、今年はなかった。「相変わらず人気だが売り物件が少なく、区画を区切って小規模化して売る例が増えた」と千葉氏は指摘する。

 同市の商業地では、イオンモールなどによる再開発が進む東北大雨宮キャンパス(青葉区)の跡地周辺が上昇率トップ。市内では従来の投資ファンドのほか、外国人客やコンベンション需要の伸びを見込んだホテル業者、地元不動産業者の参入が増えているという。