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奈良市の中上さん、「奈良のむかし話」続編出版 読み聞かせにも活用

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奈良市の中上さん、「奈良のむかし話」続編出版 読み聞かせにも活用

 奈良市の元小学校校長、中上武二(なかうえ・たけじ)さん(74)が奈良にまつわる民話や昔話を集めた「続奈良のむかし話」を自費出版した。昨春出版した「奈良のむかし話」の続編。旺盛な創作意欲で第2弾の出版にこぎ着けた中上さんは「読者から感想の手紙をたくさんいただき、うれしくなった。奈良の昔話を受け継いでいってほしい」と喜んでいる。

 野迫川村出身。幼少期を過ごした村の冬は厳しく、雪が降り積もった日には家族が箸削りの仕事をするかたわら、いろりを囲みながら祖母や曾祖母の昔話に耳を傾けたという。大学では民俗学を学び、十津川村や奈良市の風習や民話などを研究。卒業後は平成16年まで38年間、県内の小学校で教鞭(きょうべん)を執った。

 ライフワークとして続けていた民俗研究を生かし、昭和59年から「せいきょう子ども新聞」(ならコープ発行)に昔話を連載。地域情報誌「月刊大和路ならら」(地域情報ネットワーク刊)でも10年以上にわたって連載を執筆した。

 転機が訪れたのは平成22年。くも膜下出血で倒れ、生死の境をさまよった末、奇跡的に一命を取り留めた。約1週間後に意識を取り戻し「いろんな人に感謝の気持ちを表すため、昔話を本にまとめることを決意した」と出版のきっかけを語る。

 せいきょう子ども新聞に連載した昔話約90話のうち、34話をまとめた奈良のむかし話を昨春出版。読者の反響が大きかったことから、続編の制作を決めたという。

 昨年12月に完成した続編は、「幸せになった話 悲しい話」「こっけいな話」「動物の話」「こわい話」の4つのカテゴリーで構成。中上さんが子供の頃に聞いた「わらしべ長者」「賢い嫁さん」のほか、教え子が母親や祖母から聞いた昔話なども収録している。

 公民館や学校で子供への読み聞かせにも活用されており、2冊とも奈良市立中央図書館と県立図書情報館(奈良市)で閲覧可能。中上さんは「昔話で家族の絆が強まる。自分の子供が大きくなったとき、小さい頃にこんな話をしてくれたなと思い出し、懐かしい気持ちになってくれたら」と話していた。