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明治150年の観光に期待 神奈川各地の関連文化財でツアーや企画展

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明治150年の観光に期待 神奈川各地の関連文化財でツアーや企画展

 明治維新から150年の節目を迎え、県内で企画展や観光ツアーなど関連事業が目白押しとなっている。開港の地・横浜や近代日本を支えた軍港都市・横須賀など、県内は明治ゆかりの資料や建築物などが数多く存在し、県総合政策課では「歴史観光を推進するための機会として活用したい」としている。

 大磯町では「明治150年」の目玉事業として、政府が中心となって初代首相の伊藤博文の旧邸宅「滄浪(そうろう)閣」、近隣にある旧大隈重信邸、旧陸奥宗光邸など約6ヘクタールを「明治記念大磯邸園」として整備中だ。10月の一般公開を目指している。

 ◇庭園整備を起爆剤に

 県は大磯を、横浜や鎌倉、箱根に次ぐ「第4の観光地」と位置付け、観光振興を図っており、明治記念大磯邸園の開園を起爆剤としたい考えだ。

 横浜市は、岩倉具視を正使とした岩倉使節団記念説明板を象の鼻地区(同市中区)に設置する。同地区から使節団が出発したことを示すことで、同市が日本近代化発祥の地であることをアピールするという。

 企画展も相次ぐ。県立公文書館(同市旭区)では4~9月、全長約14メートルの横浜開港絵巻「金河奇勝(かながわきしょう)」について初の全開展示を行うほか、西郷隆盛の書や坂本龍馬の書簡など、明治維新期の貴重な資料を展示する予定だ。県立図書館(同市西区)では5月以降、文明開化の横浜を描いた浮世絵についてデジタル資料化を進め、明治以降150年間のベストセラーコレクションの展示なども行う。

 県立川崎図書館(川崎市高津区に5月中旬移転)では「社史に見る明治」をテーマに、老舗企業が明治をどのように迎え、対応していったかを探る企画展示を7月に開催する。

 ◇ウオーキングも

 4月にリニューアルオープンする県立歴史博物館(横浜市中区)では8月、明治期に活躍した洋画家・五姓田(ごせだ)義松(よしまつ)ら、西洋の技術に学びつつも独特の作風を築いた芸術家の作品を一堂に会した展覧会を開く予定だ。

 体験型企画として、県立観音崎公園(横須賀市)に残る、旧陸軍によって明治時代に日本で最初に造られた西洋式の砲台跡や、通常は閉鎖されている弾薬庫などをめぐるツアーを1月に実施。5、7月にもイベントを開催する。

 県立恩賜箱根公園(箱根町)や県立大磯城山公園(大磯町)など、県内各地で明治維新の息吹を感じることができるツアーを企画している。

 また横浜市は、秋に実施予定の旧東海道のウオーキングイベントにおいて、生麦事件に関する資料展示を行う方針だ。(川上朝栄)

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【用語解説】生麦事件

 幕末の文久2(1862)年、薩摩藩主の父・島津久光の一行が武蔵国生麦村(現在の横浜市鶴見区)を通過中、行列を乱したとして藩士が馬に乗ったイギリス人4人に切り付け、商人のリチャードソンが死亡、2人が重傷を負った事件。イギリスは幕府と薩摩に犯人の処罰と多額の賠償を要求したが、薩摩藩はこれを拒否し、翌年の薩英戦争の発端となった。