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【備える】南海トラフ地震・県民意識調査 臨時情報で「避難せず」62%

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【備える】
南海トラフ地震・県民意識調査 臨時情報で「避難せず」62%

 昨年11月から国が運用を始めた「南海トラフ地震に関する臨時情報」が出された場合、「避難する」と答えた県民の割合は33・5%にとどまることが県が実施した平成29年度の南海トラフ地震(東海地震)についての県民意識調査で分かった。「避難しない」は62・6%だった。同情報が出された場合に「やむを得ない」と考える社会的規制(複数回答可)については、「保育園や学校の授業中止」が62・7%で最も多く、設問の中で唯一、容認する県民の割合が半数を超えた。

 政府は昨年、確度の高い地震予知は困難として、必ずしも地震が起きるとは限らない段階で臨時情報を出し、住民に警戒を呼び掛ける新たな防災対応の運用を始めた。これを踏まえ、調査では、南海トラフ沿いの和歌山県沖から高知県沖にかけてマグニチュード(M)8クラスの巨大地震が発生し、「しばらくの間、本県周辺でも大規模地震が発生する可能性が高い」との臨時情報が気象庁から出された場合の行動を聞いた。

 それによると、臨時情報が出された場合に避難を受容できる日数は「3日程度」が17・6%で最も多く、「1週間程度」は12・1%、「1カ月程度」は2・2%だった。

 臨時情報が出された場合に「やむを得ない」と考える社会的規制(複数回答可)については、「保育園や学校の授業中止」(62・7%)を除くと、許容する人の割合が50%を超えた項目はなく、受容する人の割合が高いものでも「津波浸水区域などにある社会福祉施設の入居者の避難義務化」が45・4%、「耐震性が不十分な百貨店、スーパーなどの営業停止」が38・0%などとなっている。

 「病院などの外来診療中止」(8・8%)や「銀行の営業停止」(12・9%)は許容する人の割合が10%前後で、特に抵抗感が強かった。

 今回の調査では、28年4月の熊本地震で多くの課題が浮かび上がった避難所運営についても初めて質問を行った。それによると、大規模災害で被災しても、58・1%の人が「可能であれば自宅で生活する」と答え、「避難所に行く」と答えた人の割合は24・8%にとどまった。

 「自宅で生活する」と答えた人にその理由を尋ねたところ、「プライバシーを確保したいから」が49・3%で最も多く、避難先に「車中泊」を選んだ人の理由でも「プライバシー」を挙げた人の割合が61・1%に達した。逆に「避難所に行く」と答えた人にその理由を聞いたところ、「物資がもらえるから」との回答が46・1%で最も多かった。

 調査では水や食料が不足しない限り被災しても自宅で生活したいと考える県民が多いことが裏付けられた形で、行政に望む防災対策(複数回答可)でも「水と食料の備蓄強化」が67・1%で最も多く、2位の「避難所となる安全な公共施設の整備」(49・0%)、3位の「避難路の安全確保」(44・0%)を大きく上回っている。

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【用語解説】南海トラフ地震(東海地震)についての県民意識調査

 大規模地震に対する県民の意識や経年変化などを調査する目的で、県が昭和55年から実施。19回目となる今回の調査は29年10~11月に県内在住の20~74歳の男女2千人を対象に行い、1017人から回答を得た。