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宇都宮の吉川由美子さん、自身の経験元に低出生体重児の肌着考案

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宇都宮の吉川由美子さん、自身の経験元に低出生体重児の肌着考案

 ■「安心できる素材」医療機関に広めたい

 低出生体重児(2500グラム未満)向けに、新生児集中治療室(NICU)で使えるユニバーサルデザインの点滴用肌着を考案した宇都宮市の女性が、全国のNICUのある医療機関に広めたいと活動している。肌着を手作りし、インターネットのサイトで販売するほか、利用者との交流や講演活動を展開。NICU専用肌着の普及に取り組んでいる。(松沢真美)

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 宇都宮市の吉川由美子さん(43)は、未熟児用の肌着と洋服のオンライン店「ハッピー・フロッギー・ドットコム」を開設して13年目。「赤ちゃんが気持ち良く過ごせて、看護する人も使いやすく、低出生体重児を持つお母さんの心に寄り添える肌着作りをしている」と利用者のリクエストに応え、きめ細やかに取り組んでいる。

 きっかけは低出生体重児を育てた自身の経験から。920グラムで生まれた子供に合うサイズの肌着がなかった。その後、夫の転勤で渡米し、低出生体重児専用の肌着を知った。帰国後、必要な人たちに喜んでもらえればと、輸入販売のオンライン店を始めた。

 利用者は徐々に増え、NICUで働く看護師から「点滴をしている赤ちゃんの体に負担をかけない肌着があれば」と依頼を受け、安静にしたまま着脱できるユニバーサルデザインの肌着を開発した。平成22年に特許を取得、医療機関向けに商品化。23年度宇都宮ビジネスプランコンテストで最優秀賞を受賞した。

 独自の製品は「かわいらしくあってほしい」との願いを込め、「How Cute」のブランド名を付けた。点滴用肌着や、1千グラム以下の赤ちゃんに対応する「ミニミニ」など5サイズを用意。手作りの帽子なども依頼を受けて製作する。

 吉川さんは「安心できる素材で、柔らかく丈夫なのはもちろん、デザインも赤ちゃんがかわいく見えるように工夫している」と、隅々に細やかな心配りをしている。色が気持ちに与える影響も大きいとして、ピンク、イエロー、若草色と明るい3色を用意。病院でも雰囲気が明るくなったと喜ばれているという。

 昨年は医療雑誌に「NICU卒業生の母親 七転び八起き」を1年間にわたって連載。看護学校からの講演依頼も多い。肌着を利用した母親たちとはインターネットを通して子育てについて話し合うなど交流も続けている。

 NICU施設や産婦人科など20カ所で取り入れられているが、「400カ所ある全NICUに普及したい」と意欲をみせている。