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仙台遊廓の証言まとめる 随想録の千葉さん「明治三陸津波原因で働く女性も」

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仙台遊廓の証言まとめる 随想録の千葉さん「明治三陸津波原因で働く女性も」

 仙台にあった遊廓の歴史などについて、当時を知る人々の証言などをまとめた「みちのく仙台常盤町 小田原遊廓随想録」が出版された。著者の千葉由香さん(54)のトークイベントが、仙台市内で開かれ、千葉さんは参加した約60人の前で、ウイスキーのボトルに入れたウーロン茶を傾けて、雰囲気を演出し、執筆中の裏話などを語った。(塔野岡剛)

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 仙台市内にあった「小田原遊廓」は明治27(1894)年に現在の青葉区宮町通りの東側に開設され、先の大戦後、昭和21(1946)年まで存在したという。最盛期には33軒の「楼」があり、300人の女性が働いていたという。

 トークイベントは先月24日に開催された。当時を知る人々を取材し、証言をまとめたという千葉さんは、口を開いてくれる人が少なく、取材に苦労したというエピソードも披露した。

 千葉さんは同遊廓が栄えた理由のひとつについて、明治29(1896)年の「明治三陸大津波」を挙げ、「津波という自然災害が起き、家計を助けるために遊廓で働いていた女性も多かったのではないか」と背景を分析した。

 また、取材中に当時の女性たちの健康診断書を入手したことに触れて、3、4日に1回のペースで健康診断が行われていたと指摘。「性病に罹患(りかん)することが当時最も恐れられていた。安全であるということをアピールする狙いがあったのではないか」と説明した。

 参加した同区の阿部未来さん(33)は「小田原の近くに住んでいたときに町の様子が不思議だと感じていたが、遊廓があったと知って納得した。自然災害と遊廓の関係は興味深かった」と話した。

 トークイベント終了後、千葉さんは「表に出にくい町の歴史を書き残したかった。遊廓で働いていた女性がどのような暮らしをしていたのか、想像してほしい」と語った。