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ドローンでAED搬送 全国初、エコパで実証実験

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ドローンでAED搬送 全国初、エコパで実証実験

 小型無人機(ドローン)を使って自動体外式除細動器(AED)を速やかに届けるための実証実験が13日、袋井市のエコパスタジアムで行われた。県とともに実験を実施した日本AED財団によると、AEDによる処置は心停止から5分以内に行うことが重要。大規模公共施設を使った大がかりな実証実験は今回が全国初といい、同財団では実験結果を心停止患者の救命率向上につなげていきたいとしている。

 AEDは突然、心停止した患者に電気ショックを与えて救命する装置。当初は使用が医師のみに限られていたが、平成16年からは一般人にも使用が認められ、特別な知識なしで扱えることからスポーツ施設や公共施設への設置が進んでいる。

 AEDによる救命率は心停止から5分以内に使用した場合は50%だが、1分遅れるごとに10%ずつ低下することが分かっており、5分以内の処置が重要。ただ、28年の消防庁のまとめによると、人前で突然患者が心停止した約2万5千件のケースのうち、AEDを使用できたのは4・7%に当たる1204件にすぎなかった。

 広いスポーツ施設や公共施設の場合、設置してあるAEDを患者のいる場所に届けるまでに時間がかかるためと考えられ、機動力の高いドローンを活用できれば救命率アップにつなげられる可能性がある。

 この日の実証実験は、エコパの管理事務所前から690メートル離れた公園内で突然人が倒れたとの想定で実施。当初予定していた大型ドローンを使っての実験は機材トラブルで中止されたが、小型ドローンでAEDを搭載せずに実験を行い、運搬にかかる時間を計測した。

 前日までの予備実験では徒歩とカートを使った場合も併せて計測。結果はドローンが2分10秒で、カートが2分58秒、徒歩が4分5秒だった。

 実験を終え、同財団「減らせ突然死プロジェクト実行委員会」の太田修司委員は「ドローンを使えば690メートルの距離を約2分で運べ、人の足に比べて移動距離を2倍以上延ばせることが分かった。AED搭載ドローンの活用は現実味を帯びてきた」と話した。(田中万紀)