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レベル2津波を完全ブロック 浜松の防潮堤整備、一部かさ上げへ

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レベル2津波を完全ブロック 浜松の防潮堤整備、一部かさ上げへ

 県が浜松市創業の住宅メーカー「一条工務店」からの寄付300億円などを活用して同市沿岸部で整備している防潮堤について、県と同市は整備区間17・5キロのうち7・3キロの堤防高を当初計画の13メートルから最大18メートルにかさ上げすることを決めた。同防潮堤は1千~数千年に1度とされる最大規模のレベル2津波に対応する防潮堤として整備が始まったが、最大津波高が13メートルを超えると想定される区間が一部あり、地元自治会などからかさ上げの要望が出されていた。

 ◆馬込川から西7.3キロ

 県によると、かさ上げされるのは、馬込川から西へ7・3キロまでの区間。県の第4次地震被害想定ではこの区間内の中田島砂丘で最大14・9メートルの津波高が予想されるほか、その周辺も14メートル以上の津波に襲われる恐れがあり、これをブロックできる堤防高に改める。

 本県では、発生頻度が100~150年に1度のレベル1津波に対応した防潮堤の整備を県が担い、レベル1を超える津波への対応は各市町で行うのが原則となっている。かさ上げ分を含めた防潮堤整備の総事業費は約337億4千万円に上る見通しで、一条工務店の寄付金(300億円)と同市に寄せられたその他からの寄付金(約13億6千万円)で不足する部分は大部分を同市が負担する。

 一部区間(約1キロ)については完成予定の堤防高がレベル1の津波高より低くなることが判明したため、この部分のかさ上げ費用は県が支出する。

 ◆完成にらみ予算措置

 当初、県と同市は一条工務店の寄付金300億円の範囲内で最大限の防潮効果が得られる設計を検討し、一律13メートルの高さの防潮堤を築くことを決めていた。しかし、一部の場所では津波がこれを越えて侵入することが当時から分かっていたため、地元などからさらなるかさ上げを求める声が出されていた。

 県と同市は平成32年3月末の完成時期は変更しない方針で、同市では現時点で方針を決めないとかさ上げ工事が間に合わなくなるとしてこの時点での予算措置に踏み切った。同市はかさ上げのための総事業費を30年度と31年度の2カ年で25億4千万円と見込んでおり、30年度当初予算案に防潮堤を建設する県への負担金として11億1千万円を計上した。

 県によると、同区域への一律13メートルの防潮堤の整備で浜松市全体の沿岸部の宅地浸水面積は約7割低減できるが、今回のかさ上げで浸水面積の低減分は約8割にまで拡大できるという。現在、同防潮堤の整備は17・5キロの区間のうち、8・7キロが完了している。