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成田発着時間拡大へ 横芝光町長「苦渋の決断」 4者協議会最終合意が焦点

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成田発着時間拡大へ 横芝光町長「苦渋の決断」 4者協議会最終合意が焦点

 成田空港の機能強化をめぐり、12日に横芝光町の佐藤晴彦町長が再見直し案の受け入れを表明したことで、今後は国と県、成田国際空港会社(NAA)、周辺9市町による「4者協議会」での最終合意が焦点になる。ただ、佐藤町長が慎重な姿勢を取り続けながら「苦渋の決断」を迫られたように、騒音拡大を懸念する住民の声は根強く、着地点はまだ見通せない。

 「判断をこれ以上遅らせることは当町にとって得策ではない。熟慮に熟慮を重ねたうえでの選択」。佐藤町長は12日に開催された町議会全員協議会後の記者会見で、今回の決断が苦渋のものだったという点を重ねて強調した。

 2日に行われた全員協議会では結論を先送りしており、11日の住民団体の集会では、依然として住民の反対意見が根強い中での今回の決定。再見直し案合意に踏み切った理由は「地域振興から当町だけが取り残されてしまう恐れもあるのではないか」(佐藤町長)という言葉からうかがい知ることができる。

 成田空港の機能強化策は2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、訪日外国人観光客の増加が続く中、喫緊の課題。約40年前の開港以来、地域によって振興策の恩恵に濃淡がある中、今回の新たな振興策で具体的な恩恵を享受したいという思惑も透けて見える。

 町議会側も、一部に慎重意見はあったが、基本的に大勢は佐藤町長の判断を尊重するとして、足並みをそろえた。

 佐藤町長は4者協議会に向け、「何も言わないわけにはいかない。まさにこれからがスタート」と強調した。だが、国とNAAが提示したC滑走路供用後の深夜・早朝の飛行禁止時間を7時間から4時間半に短縮しつつ「スライド運用」により、地域ごとに静穏時間を7時間確保するなどの再見直し案には、同町以外の8市町はおおむね合意している。

 13日には発着時間の拡大が正式に決まる見通しだが、今後は依然反対する住民への説明や地域振興策の具体化の過程で議論が紛糾する可能性も残っており、最終決着に向け関係者の努力が求められそうだ。