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【東日本大震災7年】追悼、防災…思い新たに 茨城

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【東日本大震災7年】
追悼、防災…思い新たに 茨城

 東日本大震災の発生から7年となった11日、津波や液状化に見舞われた県内各地で大規模地震を想定した訓練などが行われた。毎年行われていた県主催の「追悼・復興祈念式典」は実施されなかったが、地域とともに支え合い、「震災の記憶を風化させるな」と誓った。(丸山将、鴨川一也)

 ■北茨城 市民ら人命救助訓練

 津波で5人が亡くなり、1人が行方不明となっている北茨城市では、正午から総合防災訓練が市生涯学習センター(同市関本町福田)を主会場に行われた。

 訓練は、茨城県沖でマグニチュード(M)9・0の地震が発生し、県北部で震度6強を観測したと想定。市の地域防災計画に基づき、市消防本部や県警、陸上自衛隊勝田駐屯地など関係機関が災害時の初動態勢を確認した。

 この日は約2千人の市民らが集まり、高台への避難や消火訓練、医師や看護師と連携しての人命救助訓練などを行った。

 終了式では、東日本大震災の発生時刻に合わせて参加者らが黙祷(もくとう)し、犠牲者の冥福を祈った。市自主防災組織連絡協議会の緑川亀之輔会長(72)は「防災への意識を新たにする訓練になった。大震災の記憶を風化させないように工夫していきたい」と語った。

 ■潮来 炊き出しで絆強める

 震災で激しい液状化被害に見舞われた潮来市日の出地区では11日、地域の絆を強め、災害に備えようと炊き出し訓練があった。地区全体で訓練が行われるのは震災後初めて。

 日の出中央公民館で行われた訓練には住民約250人が参加。無洗米を専用の袋に詰め炊飯。レトルトカレーをかけて試食した。家族と参加した清宮亜紀さんは「炊き出し方法の勉強もでき、震災について子供たちと話すきっかけにもなった」と話していた。

 同地区の小岩井英行代表区長(40)は「訓練を通じて住民同士のつながりを深め、災害を乗り切れるような地区にしたい」と決意を新たにしていた。

 市によると、同地区では液状化により、約2500棟の建物が全壊や半壊などの被害を受けた。地盤強化のため、市は総延長約46キロの排水管を敷設。地下水排出作業を平成28年4月から進め、今年2月には地下水位を大部分で目標値まで下げることに成功。今後も観察していくという。

 震災当時に代表区長だった荒張敬さん(71)は「(液状化にも強い)安全な町になれば、あとは人が戻ってくるだけだ。ようやく復興が完成する」と語った。