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【老舗あり】静岡市駿河区丸子 丁子屋 とろろ汁一本の流儀

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【老舗あり】
静岡市駿河区丸子 丁子屋 とろろ汁一本の流儀

名物のとろろ汁を作る13代目の柴山馨さん=静岡市駿河区丸子(吉沢智美撮影) 名物のとろろ汁を作る13代目の柴山馨さん=静岡市駿河区丸子(吉沢智美撮影)

 東海道20番目の宿場町・丸子(静岡市駿河区丸子)の小さな橋のたもとに、かやぶき屋根のとろろ汁店「丁子屋」がある。歌川広重の東海道五十三次「鞠子」にも登場した慶長元(1596)年創業の歴史ある店だ。地元産の自(じ)然(ねん)薯(じょ)にこだわり、伝統のとろろ汁の味を求めて、県内外から年間約10万人が足を運ぶ。

 「丁子」は香辛料クローブのことで、江戸時代には既に輸入され、漢方薬などに重宝された。自然薯も滋養強壮効果があり、縁起物として当時流行した丁子の屋号になったとされる。

 芭蕉と一九も

 「梅若菜丸子の宿のとろろ汁」と松尾芭蕉も句を詠み、弥次喜多道中で有名な十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも「丁子屋」の名が残されている。戦国時代にお茶屋として開業したが、広重の絵が示す通り、江戸後期には「とろろ汁」を行き交う旅人らにもてなしていたようだ。ただ、江戸時代からずっと栄えていたわけではない。

 明治22年の鉄道の開通により、駅から離れた宿場町は時代から取り残された。街道を行き交う人も減り、客足は遠のいた。敗戦後も客はまばらな状態だった。だが「もともと細々とやっていた」からと苦難の時代を乗り越えた。

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