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【被災3県知事インタビュー】(下)福島・内堀知事 復興創生期間後の展望を

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【被災3県知事インタビュー】
(下)福島・内堀知事 復興創生期間後の展望を

 --東日本大震災から7年。復興の成果と課題は

 「学校や商業施設などの生活環境、交通インフラ整備、避難指示解除区域の拡大や帰還困難区域の再生に向けた動きと、復興・再生は着実に進んでいる。県全体としても、農産物の輸出拡大やEU(欧州連合)の輸入規制緩和、観光地のにぎわい回復など、明るいニュースが増えている。だが、今も約5万人が避難生活を続けており、被災者の生活再建、(東京電力福島第1原発の)廃炉・汚染水対策、風評風化、さらに急激な人口減少など、重い課題も多い」

 --福島第2原発の廃炉や、第1原発のトリチウム水処理への取り組みは

 「二度と事故を起こしてはならない。県民が願う県内原発の全基廃炉実現を、国や東電に強く求めていく。トリチウム水の取り扱いは国が議論をしている。環境や風評など社会的な影響を丁寧に説明し、理解を得ながら慎重に議論してほしい」

 --今後の重点政策は

 「原子力災害の克服が最大の課題。また、風評風化、産業再生と新産業の育成、さらに地方創生など重い課題に対し、常に危機意識を持ち、県民の皆さんをはじめ、国や自治体と一体となり挑戦を続ける」

 --飯舘村や富岡町などの避難指示が解除されて約1年経過するが、まだ帰還率は高くない

 「帰還率は確かに低い。今、帰還の中心は高齢者だが、若い世代にも戻ってもらいたい。そのため子育て、医療、教育など安心して子育てできる環境を整備する。加えて、最先端技術に触れられる取り組み、グローバル人材育成のための英語教育強化など魅力ある学校作りに取り組む」

 --平成32年度末で「復興創生期間」が一つの区切りを迎える

 「復興創生期間は、まだ3年ある。この間にできるだけ復興を進める。県が直面しているのは、地震、津波、原発事故、風評被害の『複合災害』だ。10年では終わらない長い戦いになる。しかし、県民には『復興創生期間後、福島はどうなるのか』と漠然とした不安がある。ポスト復興創生期間後の復興ビジョンを国、県、自治体が一緒になり議論し、見える形で示すことで、県民は安心して復興に向けて頑張れると思う。こうしたものを作ろうと、吉野(正芳)復興相に直接話した」 (聞き手 竹中岳彦)