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ワサビ栽培、世界農業遺産に認定 静岡知事「使命感持って継承」

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ワサビ栽培、世界農業遺産に認定 静岡知事「使命感持って継承」

 国連食糧農業機関(FAO)が静岡県の伝統的なワサビ栽培を世界農業遺産に認定したことを受け、認定を働きかけてきた県内の首長らは9日夜、コメントを発表した。認定されたワサビ栽培地域は伊豆地域(伊豆市、下田市、東伊豆町、河津町、松崎町、西伊豆町)と静岡市の3市4町。首長らの主なコメント内容は次の通り。

 川勝平太知事「『静岡水わさびの伝統栽培』がFAOにおける審査会で世界農業遺産に認定されたことを大変喜ばしく思う。これまで認定に向けてご尽力いただいた関係者の皆さま方に心から敬意と感謝を申し上げる。本県では既に『静岡の茶草場農法』(掛川市など)が認定され、2つの世界農業遺産を有する国内唯一の県となる。ワサビは豊富な降雨が生む豊かな森と湧水に恵まれた環境でしか育むことができない、貴重な作物だ。県としても地域の方々とともに、ワサビ田を取り巻く自然環境の保全と、世界に認められたこの伝統栽培の後世への継承に、使命感を持って取り組んでいく」

 静岡市の田辺信宏市長「今回の世界農業遺産認定を、世界に輝くオンリーワンの都市を目指す静岡市として大変喜ばしく誇りに思う。本市のオクシズ地域に伝わるワサビ栽培は約400年前の慶長年間に葵区有東木地区で始まったとされる。家康公に門外不出とされ、大切にされた栽培技術は今なおワサビ発祥の地としての誇りとともに脈々と受け継がれ、中山間地域の暮らしを支えている。ワサビ生産者には若い後継者の姿も見られる。世界に認められた『わさびの伝統栽培』を彼らや地域の皆さまとともにしっかりと次代に継承するよう熱意を持って取り組んでいく」

 伊豆市の菊地豊市長「地域の地理的特性を生かし、現在の畳石式栽培をはじめとした数々の生産技術の開発に寄与し、生産を守り発展させてきたワサビ生産者に敬意を表する。世界農業遺産認定を弾みに持続的な発展につながるようワサビを軸とした地域振興やワサビ田の周辺環境の保全などに取り組んでいく」

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 ■世界農業遺産 伝統的な農法や農村文化を守るため、平成14年にFAOが認定制度を設けた。認定を受けると次世代への確実な継承が求められるが、国連側から支援金などが拠出されることはない。静岡県はワサビ栽培発祥の地とされ、沢沿いに開墾した階段状の農地で、湧水の養分だけで育てる伝統的な農法を守っている点が評価された。本県の伝統的なワサビ栽培は農林水産省が国内版として28年度に創設した日本農業遺産にも選ばれている。