産経ニュース

泉北ニュータウンは健康づくり先進地 体操などの講座や「IoT」アドバイス

地方 地方

記事詳細

更新


泉北ニュータウンは健康づくり先進地 体操などの講座や「IoT」アドバイス

 高齢化が進む府南部の泉北ニュータウンで、高齢者の健康づくりに向けた取り組みが進められている。住民主体のサロンで定期的に体操などの講座が開かれているほか、モノとインターネットをつなぐ「IoT」技術を使った高齢者の運動量調査も実施している。全国のニュータウンでも同様の問題を抱えており、住民らの健康寿命を延ばす取り組みは注目を集めそうだ。

 「息をはきながら足をあげましょう」

 堺市南区の槙塚台地域会館で月に2度開かれる「ロコモ予防講座」で、大阪経済大学人間科学部の高井逸史教授が声をかけると、女性たちが座りながら一斉に片足を持ち上げた。ほかにもボールを空中に投げ上げて手をたたいたり、ポールを両手に持って歩く「ノルディックウオーキング」をしたりと、高齢者が無理なく体を動かす方法を紹介した。

 受講した主婦の横内玲子さん(72)は「体中の古い血がなくなった気分で、心地良い爽快(そうかい)感が得られました」と話した。

 ロコモとは、骨や筋肉などに障害が生じ、歩行などが困難になる症状のこと。講座は地元に住む明石淳子さん(82)らが中心となって平成26年4月から開催している。近所には腰痛などに悩まされるお年寄りが多く、「病院に行った」があいさつ代わりになっていたことから、高井教授のアドバイスを受けて思いついたという。講師には高井教授のほか、管理栄養士らも参加し、食生活の指導も行っている。

 昨年12月からは、堺市からの委託を受けた高井教授が、IT企業「ヴァイタル・インフォメーション」と連携し、IoT技術を使った社会実験も始めた。ニュータウンに住む65歳以上の高齢者約10人にセンサー内蔵の送信機を持ち歩いてもらい、消費カロリーや運動の激しさを測定している。

 測定結果をもとに、高井教授や管理栄養士らが取り組むべき運動をアドバイスしている。参加した無職の柴田美治さん(75)はスクワットなどの運動を意識して行うようになったといい、「客観的に運動を見られるから、刺激になります。ちょっと足に筋肉がついてきたかな」と話す。

 結果はスマートフォンなどで遠方にいる親族らが確認することができ、高齢者の見守りにも有効だ。

 昭和42年にまちびらきされた泉北ニュータウンは、半世紀のときを超えて住民らの高齢化が進んでいる。堺市によると、ニュータウン内の市域の高齢化率は平成29年で33・9%と市全体(27・5%)を大きく上回っており、今後さらなる高齢化も懸念されている。高井教授は「お年寄りが住み慣れた地域で元気に暮らせるように取り組みを続け、効果が検証されれば他の地域にも広げていきたい」と話している。