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宮城のホヤ、米国に輸出 3月下旬めど 現地試食で好評

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宮城のホヤ、米国に輸出 3月下旬めど 現地試食で好評

 東京電力福島第1原子力発電所事故による韓国の禁輸措置などの影響で、東日本大震災後は出荷量が低迷、廃棄処分なども余儀なくされている県産ホヤ。海外での消費拡大を目指し、県は今年度初めて韓国以外での市場開拓を模索している。米国で先月から行っている一般向けの試食での評判は上々だといい、今月下旬をめどに冷凍ホヤのコンテナでの“本格的”米国輸出が行われる。(高梨美穂子)

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 「韓国以外の販路はいったいどこが正解か。想像がつかなかったが、いざ売り場に立ってみると反応がよかった」

 先月、米カリフォルニア州ロサンゼルスの近郊、トーランスの食品スーパーで客の試食に立ち会った県の食産業振興課、成田幸樹主任主査は「おいしい」と声をかけてもらってホッとしたという。

 県によると、東日本大震災前、県内では全国最多の約9千トンが水揚げされ、約7割が韓国に輸出されていた。だが韓国は平成25年に禁輸措置をとり、現在も継続している。「震災前を含め、韓国以外への輸出はほぼ行われていなかった」(同課)という。

 県では昨年4月、海外販路開拓の企画提案を募集し、三陸地域の水産加工業者7社の連携で設立された輸出窓口会社、三陸コーポレーション(東京都北区)の案が採用された。米国の特に韓国系住民の多いカリフォルニア州でプロモーションを行うというものだ。

 米国では原発事故での禁輸措置は取られておらず、輸出には米食品医薬品局(FDA)の基準に従ったHACCP(ハサップ)認定施設での加工が義務づけられている。出荷を行う加工業者は既に認定を受けていた。

 米国でのプロモーション第1弾は昨年11月、カリフォルニア州サンディエゴのレストラン関係者らに向けた見本市での出展。ホヤの刺し身のしょうゆ添え、ポン酢添え、コチュジャン添えと、ホヤ独特の強い風味を打ち消すように工夫したスパゲティ・ペペロンチーノを提供。アジア系の来場者が多く、アンケートでは「とてもよい」「よい」の好意的反応が7割だった。

 先月10日からは米最大のコリアンタウンのあるロサンゼルスや、郊外住宅地のフラートンを中心に7つの食品スーパーで週末、一般来店客に試食販売を実施。「日本から持ってきたホヤです」と声をかけ、刺し身のコチュジャン添えを提供したが、消費者目線でも評判はよく、おかわりする人もいるほど。試食販売は先月終了の予定を延長し、今月11日まで実施している。

 三陸コーポレーションの森岡忠司代表は「試食した人の半数以上が購入した。既存の韓国産商品とは、色味、甘味、厚みの3点で明らかな品質の差があり、高い評価を得たと理解している」という。

 今月下旬には仙台港からロサンゼルス港に向けて、20フィートコンテナに冷凍のむき身ホヤを業務、小売り向けとして輸出することが予定されている。製品ベースでは約7トンになるという。