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県庁で長崎出身のイシグロ氏の手紙を展示公開

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県庁で長崎出身のイシグロ氏の手紙を展示公開

 長崎県は1日、ノーベル文学賞を受賞した地元出身の英国人作家、カズオ・イシグロ氏から届いた手紙の全文を拡大パネルにし、長崎市の県庁舎で公開した。県立図書館では同日、手紙の原文の展示を始めた。いずれも3月末まで。県の担当者は「長崎とのつながりを広く知ってほしい」としている。

 手紙は、中村法道知事と県議会の八江利春議長がお祝いのメッセージを送ったことに対する礼状で、授賞式前の昨年11月に届いた。英語で「長崎での子供のころの記憶は、小説家としてのキャリアの基礎。長崎は常に私の一部」「『ながさき』という言葉を耳にするたびに、美しい旋律が脳裏をよぎる」などとつづっている。

 庁舎1階のロビーに展示されたパネルを見ていた県職員、辻亮二さん(59)は「長崎から世界で認められる人が出て誇らしい」と話した。

 県は3月定例県議会に、名誉県民の称号を贈る議案を提出する方向で準備している。イシグロ氏を招いて表彰することも検討しているが、執筆活動中を理由に前向きな返事は得られていないという。

 イシグロ氏は1954(昭和29)年11月、長崎市生まれ。両親とともに5歳で渡英した。82(57)年に発表した長編第1作「遠い山なみの光」は、戦争と原爆投下からの復興途上にある同市を舞台にしている。

 長崎市も、原爆資料館で田上富久市長に宛てたイシグロ氏の礼状を3月末まで公開している。