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サッカー通じ立ち直り支援 近江八幡・竜王少年センター遠藤さん「自分で変わったと実感」

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サッカー通じ立ち直り支援 近江八幡・竜王少年センター遠藤さん「自分で変わったと実感」

 ■不登校だった少年、新たな一歩

 問題を抱えた少年の立ち直りを支援しようと、サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)「MIOびわこ滋賀」の運営会社、Mi-Oスポーツと、県青少年補導センター連絡協議会が平成28年に結んだ連携協定の下で就労支援などを行ってきた少年への支援が初めて終了した。関係者らは「スポーツをからめ良い形で連携できた。これからも連携して支援を続けたい」と手応えを感じている。

 少年の非行や不登校などさまざまな問題の未然防止対策などを進める市町設置の少年センターが県内に16カ所あり、うち9カ所に専門の教員やカウンセラーなどを配置して立ち直り支援を行う「あすくる」が設けられている。各センターでつくる県青少年補導センター連絡協議会と「青少年育成」を理念の一つに掲げるMi-Oスポーツが28年3月、青少年の健全育成・非行防止や非行少年らの立ち直りに関する協定を締結。協定下で初めて支援したのが、近江八幡・竜王少年センター(近江八幡市鷹飼町)内の「あすくるHAR」に通う野洲市の遠藤功基さん(19)だった。

 遠藤さんは中学1年の2学期から不登校になり、鬱病を発症。一時は家に引きこもっていた。通信制高校3年の頃に紹介されたあすくるに通うようになり、あすくるが行うカウンセリングや生活、就労支援プログラムを受けていた。

 遠藤さんにフットサルやサッカーの競技経験がありサッカーが好きだったことから、あすくるが協定を結ぶMi-Oスポーツの権田五仁社長に相談。遠藤さんは権田社長に誘われてMIOの試合の運営準備を手伝ったほか、権田社長が知的障害者の県選抜チームの監督を務めている縁から知的障害者チームにも加入し、練習に励んでいる。

 遠藤さんは「人の目が怖い」と電車に乗れない時期もあったという。しかし今では「自分の好きなサッカーができるようになって気持ちが楽になった。自分自身すごく変わったと実感している」と声を弾ませる。権田社長も「サッカーの練習やコミュニケーションを通して、積極的な姿勢が見えるようになった。サッカー選手としても力がある」と目を細める。

 協定の一環で、MIOのスポンサーの廃棄物処理会社への就職も決まり、3月から社会人として一歩を踏み出す。22日、あすくるHARで終了式が行われ、遠藤さんは「あすくるや権田さんに支えられてここまできた。精一杯頑張りたい」と意気込みを語った。

 協定に基づく初の支援終了について権田社長は「スポーツの持つ力は計り知れない。サッカーというコンテンツを通じて一つの実績ができた。これからも個々のケースに応じて支援を続けたい」と話した。