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西鉄、福岡の路線バスを再編 「100円循環バス」の運行取りやめ

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西鉄、福岡の路線バスを再編 「100円循環バス」の運行取りやめ

 西日本鉄道は26日、福岡市中心部の路線バス再編計画を発表した。バスの運転手不足のため、3月17日から天神-博多間を走る「100円循環バス」の一部ルートの運行を取りやめ、最終バス計11便の時間を繰り上げる。バス路線の維持に影響するほど、人手不足が深刻化している。(高瀬真由子)

 西鉄が運転手不足を理由に、大幅な路線再編を行うのは初めてという。

 現行の100円循環バスは、天神と博多という福岡市の2拠点を、商業施設「キャナルシティ博多」や、明治通りを経由して循環している。西鉄は循環型をやめ、キャナルシティを経由するピストン輸送型で天神・博多を結ぶ。

 具体的には、100円循環バスとしては、明治通りの運行を取りやめる。平日1日当たり123便の減便となるが、キャナル経由の運行を強化することで、天神・博多を結ぶ全体の本数は、あまり変えないようにする。キャナル経由の路線について、停車するバス停は変更しない。

 また、博多や天神のバスターミナルなどを、午前0時以降に出発する最終バスについて、運行時刻を繰り上げる。西鉄天神高速バスターミナル発でみると、新飯塚駅(福岡県飯塚市)行きや、赤間営業所(福岡県宗像市)行きが、それぞれ50分近い前倒しとなる。

 西鉄は、循環バスの見直しで、運転手11人分の業務量が減ると試算する。また、最終バスの繰り上げを通じ、長時間・深夜労働を是正したいとしている。

 西鉄本社には1988人のバス運転手がいる。ここ数年、必要人数に対し1日当たり20~30人が不足する事態になっていた。

 高校新卒者の採用開始や、待遇の見直しなどを実施したが、状況は改善せず、従業員の休日出勤で対応してきた。政府が働き方改革を推進していることもあり、再編に踏み切った。

 利用者への影響を最小限にとどめるため、今回の見直しは福岡都市圏が中心だが、西鉄は地方で不採算路線も抱える。グループ全体で雇用するバス運転手は約4200人に上る。

 記者会見した取締役自動車事業本部長の清水信彦氏は「地方は収支が厳しい路線が多い。エリアの特徴をとらえながら、将来の形をつくっていかないといけない。持続可能な路線網の構築に取り組む」と語った。

 国土交通省によると、バス乗務員の平均労働時間は、全職業の平均より2割長く、時間外勤務や休日出勤も多い。西鉄でも、月に1人あたり2~3日、休日出勤をこなしている。このため離職や採用難などの課題が大きくなっている。

 一方、事業者には、訪日外国人に対応する輸送力の強化や、高齢化社会における住民の「足」としての役割が求められる。公共交通ネットワークの維持は、大きな岐路に立っている。