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地震で転居重ねた店主夫婦、パンで被災地応援したい 長崎

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地震で転居重ねた店主夫婦、パンで被災地応援したい 長崎

 東日本大震災と熊本地震で転居を重ねた前野高宏さん(34)と妻の麻琴さん(35)が、移住先の長崎県東彼杵町千綿地区で開いたパン店が盛況だ。「お世話になった。被災地を応援したい」と地域への恩返しで熊本県産の小麦粉を使う。東彼杵町の住民の支援を受けて開店した2人は「地元産品も取り入れ、地域の魅力発信に一役買いたい」と意気込んでいる。

 昨年4月にオープンした店は、地区の名前にちなん「ちわたや」と命名した。食パンやメロンパンなど、12種類ほどのパン計100~150個は、手作りの味が好評でほぼ毎日完売し、地元住民のほか、県外から買いに来る客もいるという。

 2人は東日本大震災の際、千葉市に居住。東京電力福島第1原発事故もあり、熊本市へといったん引っ越した。その後、高宏さんは「家族の時間を大事にしたい」と勤務先を退職。平成26年8月に熊本県南阿蘇村に再度移り、麻琴さんのパン作りの技術を生かしてカフェを開業した。

 しかし、その約1年半後の熊本地震で、住宅兼店舗が半壊した。車中泊も経験した。熊本県での再起を目指したが、条件の合う物件が見つからず、知人からの情報をきっかけに東彼杵町への再転居を決断した。

 東彼杵町では、近隣住民らが、住まいと店を兼ねる古民家の改修を手伝ったほか、開業後には地元産のお茶を使ったパンの試食会にも積極的に参加してくれたという。温かみのある地域の農産物を使うことを2人は「できる形の恩返し。継続し、良い物だと知ってもらいたい」と話した。