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空き家再生に北欧の知恵 煙突や断熱材を外国人学生提案 香川にゲストハウス

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空き家再生に北欧の知恵 煙突や断熱材を外国人学生提案 香川にゲストハウス

 デンマークから来日した女子大学生2人のアイデアに基づき、北欧ならではの知恵を生かして木造の空き家をゲストハウスに再生する計画が香川県丸亀市で進んでいる。同市でインテリア雑貨店を経営する高木智仁さん(40)が企画した。地域の風景に溶け込みつつ、室温維持や換気の効率性など機能性も重視した住宅を目指している。

 建物は丸亀市の農村部にある築60年を超える平屋で、4、5年前に空き家になった。地域で空き家が増えていく現状を気に掛けていた高木さんは「海外の視点を生かして再利用できれば」と考え、仕事で知り合ったデンマークの大学関係者に提案し、学生の受け入れが実現した。

 コペンハーゲンのデンマーク王立芸術アカデミーで学ぶ英国人のジュリエット・リングローズさん(23)とノルウェー人のインガ・シュールハウグさん(23)は昨年9月に来日。「日本の伝統建築に興味がある」と口をそろえる2人は地域でホームステイしながら立地環境などを調査し、「持続可能性」をテーマにデザインを検討してきた。

 夏場は空気を流れやすくして涼しさを感じられるよう、窓と扉の配置や大きさを工夫。冬は窓などを閉め切り気密性を高め、断熱材を使用した内壁などで暖かさを保てるようにした。

 日本家屋の外観は残し、周囲との一体感を維持。一方で北欧風のまきストーブや煙突の設置、屋根裏との間の天井壁を取り払って広い空間をつくるなど大胆なアレンジも加えた。2人が離日した昨年12月に工事はほぼ完了。今後は家具などを設置し、早ければ6月ごろ準備が整う予定だ。

 リングローズさんは「古い家も自分たちの小さな工夫で変えられる、ということを示せた」と満足げ。シュールハウグさんも「住民が集い、旅行者と交流する場になれば」と期待を寄せた。

 高木さんは「昔ながらの家の良さを残しつつ、なるべく自然を生かそうという考えが素晴らしい。建物に新たな役割を与え、可能性を広げていきたい」と話している。