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彩り豊か通信使行列再現 「世界の記憶」登録記念し対馬市が式典 

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彩り豊か通信使行列再現 「世界の記憶」登録記念し対馬市が式典 

ユネスコの「世界の記憶」への登録を祝い、再現された朝鮮通信使行列 =長崎県対馬市 ユネスコの「世界の記憶」への登録を祝い、再現された朝鮮通信使行列 =長崎県対馬市

 昨年10月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に外交使節「朝鮮通信使」に関する記録が登録されたことを祝おうと、ゆかりのある長崎県対馬市が25日、記念式典を開いた。通信使行列を再現する企画では日韓の関係者約150人が赤や黄色など彩り豊かな衣装を身にまとい、多くの市民らが集まった。

 対馬市内のホールで開かれた式典には登録申請に関わった日韓の関係者ら約280人が参加。日本側の「朝鮮通信使縁地連絡協議会」の松原一征理事長が「平和の遺産である通信使の精神を世界に広げていこう」と一層の友好を呼び掛けた。

 韓国側の推進主体「釜山文化財団」の柳鍾穆代表理事は「未来志向の日韓関係の手助けになれば」と応じ、友好の「国書」を交換。大きな拍手が送られた。

 式典に先立ち、通信使を再現した一行が市中心部をかねや太鼓、ラッパをにぎやかに鳴らしながら練り歩いた。沿道の市民らは笑顔で手を振ったり、カメラで写真を撮ったりした。

 通信使は、江戸時代を中心に朝鮮国王が日本に派遣した外交使節団。対馬市を含め、通信使が通るなどした日本国内12都府県と韓国に残る外交文書や絵巻など計333点が世界の記憶に登録された。

 朝鮮通信使行列は昭和55年以降、最大の祭り「対馬厳原港まつり」でも披露されてきた。

 ただ、平成24年10月、島内の観音寺から仏像が盗まれ、韓国で発見されたが返還されない問題が発生し、25年は中止された。

 27年から復活したが、市出身の男性会社員(32)は「過疎化が進む対馬では、韓国人観光客からの収入が大きいことは確かだ。ただ、両国が仏像や慰安婦像などの問題を抱えるなか、友好一辺倒でいいのか、複雑な思いもある」と語った。