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熊本地震 被災マンション、上熊本ハイツの建て替え本格始動 元住民ら組合設立

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熊本地震 被災マンション、上熊本ハイツの建て替え本格始動 元住民ら組合設立

分譲マンション「上熊本ハイツ」。熊本地震で被災し、全壊と判定された=熊本市西区 分譲マンション「上熊本ハイツ」。熊本地震で被災し、全壊と判定された=熊本市西区

 ■32年夏、完成目指す

 平成28年4月の熊本地震で被災した分譲マンション、上熊本ハイツ(熊本市西区)の元住民らが、早期建て替えへ、マンション建替法に基づく組合を設立した。旭化成不動産レジデンス(東京)も再建を支援し、32年夏の完成を目指す。熊本市内の被災マンションで、同法を適用した初の建て替え事例となる。(谷田智恒)

 同ハイツは5棟100戸からなる団地スタイルで、昭和55年に熊本県住宅供給公社が分譲した。築37年の建物は、地震によって2棟が傾いた。その後の調査で他の棟も基礎部分の損壊が判明し、団地全体が全壊と判定された。

 マンション建て替えは、区分所有者の資産や家族構成の相違などから、合意形成に困難を伴う。特に被災建物は、住民が離れた場所に避難していたり、生活再建の進み具合が違ったりと、話し合いの条件は厳しい。

 ただ、同ハイツは被災前から住民同士のつながりが強かったという。全住民が避難生活を余儀なくされても、管理組合が震災直後の28年5月に復興特別委員会をつくり、建て替えの議論を開始した。

 支援もあった。熊本市は、同ハイツの再建を優良建築物等整備事業の補助対象とした。住宅金融支援機構の高齢者向け返済特例制度(リバースモゲージ)も後押しし、29年9月、建て替えの決議が成立、1月に組合も設立された。

 組合には、旭化成不動産レジデンスが参加組合員として加わり、建て替え事業を進める。同社によると、新しいマンションは14階建ての1棟184戸になる。震災前の区分所有者の7割以上が、再建後のマンションを1千万~2千万円の自己負担で再取得する。

 元住民で建替組合理事長の福田司明氏は「再建にこぎ着けたことをうれしく思う。私たちの事例を参考に、他の被災マンションの再建を進めてほしい」と話した。旭化成不動産レジデンスの池谷義明社長は「ここまで来たのは住民の努力のたまもの。再建に、一緒に頑張りたい」と述べた。