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復興へ立ち上がる被災者 熊本県が益城の屋台村舞台にドラマ制作、来月からネット配信

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復興へ立ち上がる被災者 熊本県が益城の屋台村舞台にドラマ制作、来月からネット配信

復興支援ドラマのワンシーン。仮設住宅で暮らす被災者もエキストラで出演した(熊本県提供) 復興支援ドラマのワンシーン。仮設住宅で暮らす被災者もエキストラで出演した(熊本県提供)

 熊本県が、熊本地震の被災者のエピソードを基にした復興支援ドラマ「ともにすすむサロン屋台村」を制作した。熊本出身の俳優やアーティストが参加し、復興への思いを込めた作品となった。震災からまもなく2年を迎えるのを前に、3月からインターネットで配信する。 (南九州支局 谷田智恒)

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 ドラマは、県の「熊本地震からの復興プロモーション事業」として制作した。実話を基に、苦難に直面しても悲観的にならず、明るく前向きに生きる被災者を描く。上映時間約20分の、笑いあり、涙ありの人情ドラマとなった。

 仮設商店街「益城復興市場・屋台村」を主な舞台に設定した。屋台村は、震災からわずか2カ月後の平成28年6月に、熊本県益城町に建設された。被災した町内の飲食店主らが、昨年10月までの1年4カ月間営業を続け、被災者を勇気づける場所となった。

 熊本市出身の俳優、高良健吾さん(30)、女優の倉科カナさん(30)が屋台村の美容室夫婦を演じた。同県湯前町出身の俳優、中原丈雄さん(66)は焼き鳥屋の主人役で出演した。

 撮影は昨年12月、益城町の益城テクノ仮設住宅で行われた。仮設住宅で暮らす約100人もエキストラとして出演した。県知事公室の渡辺拓也主幹は「実体験を基にしたので、リアル感がある。出演者も郷土への思いを持って参加してくれた」と語った。

 「ドラマの中で震災以降の1年半は描けているが、1年半で何かが終わるわけではなく、これからまだ続いていく。これからも精いっぱい熊本のために、いろんなことを続けていきたい」。出演した高良さんは、ドラマの公式サイトの特別インタビューで、これからも熊本と「ともにすすむ」決意を述べた。

 主題歌には、ロックバンド、WANIMA(ワニマ)の代表曲「ともに」を採用した。WANIMAは同県天草市出身の松本健太さんと西田光真さん、熊本市出身の藤原弘樹さんによる3人組だ。昨年末には、NHK紅白歌合戦に初出場した。

 紅白でも歌われた「ともに」のレコーディングは、熊本地震の翌日だったという。メンバーは、故郷への熱いエールを込めて収録した。

 こうして完成したドラマの試写会が1月31日、益城テクノ仮設住宅で行われた。上映会場となった集会所に約40人が集まり、地震で家屋が倒壊するシーンや、仮設商店街で被災者らが再建に向かう姿に見入った。

 自宅が全壊した池田正三さん(78)は「飲み物も手に入らなかった地震直後の大変なときを思い出した。力を合わせて頑張ろうと思った」と笑顔を浮かべた。

 3月に東京都内で完成披露試写会を催し、インターネットで配信する。詳細は県特設の公式サイト(http://tomoni-susumu.jp)。予告編を動画サイト「ユーチューブ」で公開している。

 熊本県は、全国から寄せられた支援への感謝の気持ちを表すとともに、熊本の魅力も発信しようと、「熊本地震からの復興プロモーション事業」を展開する。

 第1弾としてオリジナル動画「フレフレくまもと!」を制作した。熊本が生んだ演歌界の大御所、水前寺清子さんの「三百六十五歩のマーチ」に合わせ、総勢約900人の県民や、県出身の有名人らが歌いつなぎ、復興に向けて歩み続ける熊本の姿を発信した。動画は約24万5千回の閲覧があった。