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呼び戻せ修学旅行 熊本県が地震・噴火・豪雨学習プログラム作成

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呼び戻せ修学旅行 熊本県が地震・噴火・豪雨学習プログラム作成

 熊本地震で激減した修学旅行生を呼び込もうと、熊本県が被災自治体と協力し、災害の知識を深める学習プログラムの作成に乗り出した。県は「熊本は噴火や豪雨も経験している。全国の学生がさまざまな災害を学べる場を提供したい」としている。

 県によると、地震前の数年に約10万~11万人だった修学旅行宿泊者数は、地震が起きた平成28年にはキャンセルが相次ぎ、約3万5千人に激減した。29年はデータがまとまっていないが、県教育旅行受入促進協議会は「地震前の水準には遠い」とみている。

 第1弾は昨年11月、熊本地震で約半年間、営業休止した阿蘇火山博物館(同県阿蘇市)でスタートした。「火山と共存する阿蘇人(あそもん)から学ぶ防災」と称し、学芸員や地元ガイドが熊本地震や近年の阿蘇山の噴火、24年7月の九州北部豪雨の被害状況を、体験を交えて説明。「自分に置き換えて考えてほしい」と備えの大切さを訴える。

 昨年11月には、私立岩倉高校(東京都台東区)の2年生約140人が参加した。「災害はニュースで見るだけで人ごとだったが、身近な存在となった」「熊本の災害は終わっていないと伝えていくのが大切」などの感想が寄せられたという。

 県は他の自治体とも話し合いプログラムを増やす。震度7を2度観測した益城町の断層や、南阿蘇村の崩落した阿蘇大橋跡地を巡回するコースなどが案に挙がる。

 修学旅行では2年先まで旅行先が決まっているケースが多いとして、県は取り組みの効果が数字として出るのは31~32年度ごろからと想定している。観光物産課の中西弓子参事は「自治体ごとに違う内容にし、広域的な周遊滞在型にしたい」と話す。