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阿南・若杉山遺跡で「辰砂」採掘の坑道発見 国内最古か

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阿南・若杉山遺跡で「辰砂」採掘の坑道発見 国内最古か

 徳島県阿南市の若杉山遺跡で、赤色顔料である水銀朱の原料「辰砂(しんしゃ)」を採掘していた坑道を発見したと同市などが発表した。同遺跡は弥生時代後期から古墳時代初頭にかけて辰砂を採掘・精製しており、以前の調査で朱精製用の石臼や石ぎねが出土。坑道が掘られた時期は不明だが、坑道からは、同様の石ぎねが見つかったことから日本最古の坑道だった可能性もあるという。

 市によると、坑道は山の斜面(標高250メートル)に掘られ、入り口は2カ所あり、内部でつながっていた。大きい方の入り口は幅約1・2メートル、坑道内部の高さは最大90センチで、奥行きは約14メートル。

 また、県教委の調査では、坑道入り口から約100メートル離れた地点で、採掘する際に砕いた石を積んだ「ズリ場」を確認。周辺には、弥生時代終末~古墳時代初めの土器のほか、以前の調査や坑道内で見つかったのと同様の石臼や石ぎねが出土した。

 大久保徹也・徳島文理大教授(考古学)によると、最古の坑道は奈良時代に始まった長登銅山(山口県美祢市)といい、若杉山遺跡の坑道は日本最古になる可能性があるが、坑道内からは土器は見つかっておらず、時期の特定はできていないため、阿南市は今後詳しく調べる。

 大久保教授は「弥生時代に坑道を掘る技術があったとすれば、農耕作が中心とみられていた弥生時代の見方が変わる発見」としている。