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九州「正論」懇話会詳報 元空将の織田邦男氏「自衛隊活用、日本守る考えを」

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九州「正論」懇話会詳報 元空将の織田邦男氏「自衛隊活用、日本守る考えを」

講演する元航空自衛隊空将の織田邦男氏 講演する元航空自衛隊空将の織田邦男氏

 14日にホテル日航福岡(福岡市博多区)で開かれた九州「正論」懇話会の第135回講演会。元航空自衛隊空将の織田(おりた)邦男氏は、緊張が高まる朝鮮半島情勢を念頭に、安全保障を米国に丸投げするのではなく、日本自らが自衛隊を活用し、国を守る必要性を訴えた。講演の主な内容は以下の通り。

 北朝鮮の脅威を直視すべきです。平昌五輪では「微笑外交」をみせ、日米韓のつながりに、くさびを打ってきました。相手を米国にしぼり、核・ミサイル開発を止めません。

 いくら北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に「非核化したら、体制を保証する」といっても信用するわけはありません。

 北朝鮮の究極の目標は、米国と力の均衡を図ることです。1発でも米国に届く核を保有し、それを前提に交渉したいのです。

 対話では核保有は止められません。これまでも緊張を作り出しては(関係国を)対話に引きずりこみ、取るものを取り、繰り返し合意を破棄してきました。

 また、中国は同盟国である北朝鮮の核・ミサイルを自国の「戦略的資産」と、考えています。将来、米国としのぎを削る際に、対米の核戦力を持つ北朝鮮をコントロールできればいい、と思っているふしがあります。

 米国は、北朝鮮対応をめぐって政権内で揺れており、手詰まり状態にあります。金正恩氏ら北朝鮮の指導部を殺害する「斬首作戦」は難しいと考えます。

 私なら、韓国からの非戦闘員を退避させる作戦と、飛行隊を日本や韓国に持ってくるなどし、その間に北朝鮮と交渉します。

 「米国が戦闘準備に入った」。その本気度が分かれば、金正恩氏も自分の身かわいさに、交渉のテーブルに着くかもしれません。

                 ■ ■ ■

 有事となれば日本の海上自衛隊はイージス艦に迎撃ミサイルSM3を配備し、航空自衛隊は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で対応します。ミサイル防衛は、日本が主体的にすべきです。

 有事になれば、韓国に残された邦人を助けなければなりません。ですが、自衛隊が今の法律で守れるのは米軍基地と自衛隊だけです。気概はあっても、その場の安全が確保されていなければ、救出に行けない。これは矛盾です。

 有事では(一人一人の)自助努力も重要です。危機管理の根本は「自助」「共助」「公助」です。まずは自助で、大難を小難に、小難は無難にすべきです。

 核兵器は使われない限り有効ですが、日本は核・ミサイルによる威嚇や恫喝(どうかつ)に弱い。タブーなく、核抑止論について国民的に議論すべきです。そうした議論を一番いやがるのは中国であり、中国が必死で北朝鮮を止める可能性もある。

 これからの時代、日本が戦争を放棄しても、戦争は日本を放棄しないこともあるのです。安全保障をワシントンに丸投げする時代は終わりました。自衛隊を活用して、日本を守ることを考えないといけない。