産経ニュース

福岡市が当初予算案 成長の「果実」生活の向上へ、次世代への投資を手厚く

地方 地方

記事詳細

更新


福岡市が当初予算案 成長の「果実」生活の向上へ、次世代への投資を手厚く

 「福岡市には今、投資や企業が集まっている。経済が元気になった果実を、市民の生活向上に振り向けられるようになった」

 高島宗一郎市長は14日の記者会見でこう語った。

 予算案には、生活の質の向上を意識したさまざまなメニューが並ぶ。中でも、将来世代を重視し、子育て支援に1174億円を投じる。

 例えば、18歳以下の子供がいる子育て世帯が、市内で住み替える場合、最大15万円を助成する。子供を育てる中で、より広い家に転居するケースなどを想定している。賃貸だけでなく、中古住宅を購入する場合も対象となる。事業費として、1403万円を計上した。

 子育てと女性の就労支援として、保育環境のさらなる充実を図る。

 待機児童対策では、幼稚園と保育所を併設する「認定こども園」や、幼稚園での2歳児保育の拡大を促す。一連の費用として49億5964万円を計上した。

 こうした施策によって、保育園の定員を2千人分増やす。市内全体の定員は、計約3万7千人になる。

 高島市政はこれまでも、保育園の定員増に努めてきた。26年度から29年度まで4年間で、計5400人分の定員を増やした。

 こうした投資を、福岡市の経済成長が支える。30年度予算案における法人市民税は389億円となり、過去10年間で最高となった。全国的な景気回復に加え、市が取り組む創業支援などが奏功したといえる。

 高島氏は「保育園の定員を2千人増やすには施設の整備だけで40億円かかる。これを吸収できるだけ、成長性に自信が持てた」と語った。

 半面、待機児童はゼロにならない。ライフスタイルの変化や好景気もあって、女性の就労人口が伸びているからだ。しかも福岡市は、経済成長によって人口が流入し、雇用の場が拡大している。

 経済が元気だからこそ、保育希望者が増えるという状況だ。待機児童対策は、周辺自治体を含めた福岡都市圏で議論する必要があるだろう。

 このほか、学童保育の充実や、小学生を対象にした出前授業にも取り組む。

 高島氏は22年の初当選以来、企業誘致や起業家支援を強力に推し進める。天神地区の再開発など、将来を見据えたまちづくりにも取り組む。

 この結果、福岡市は27年の国勢調査で、人口増加数と率の両方で、政令指定都市トップとなった。10~20代の若者割合も、政令市で首位となった。

 30年度の予算案は、今まで以上に「選ばれる都市」への意欲を示すものとなった。(中村雅和)