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【かながわ元気企業 中華街編】四川料理の老舗「重慶飯店」李宏道社長

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【かながわ元気企業 中華街編】
四川料理の老舗「重慶飯店」李宏道社長

 ■初の本館改装「新たな出発」 コンビニとコラボ商品も

 横浜中華街屈指の老舗料理店「重慶飯店」(横浜市中区)。来年に迫った2019年ラグビーワールドカップ(W杯)や2020年東京五輪・パラリンピックの開催に伴う集客力アップを見据えて、今年10月の本館リニューアルオープンを目指している。社長の李宏(ひろ)道(みち)さん(58)は「本館は原点であり、新たな出発点でもある」と、さらなる飛躍に向けて大きく動き出している。

 ◆10月オープン予定

 重慶飯店は昭和34年に創業した老舗中の老舗だ。創業当時は「横浜中華街唯一の四川料理店」として名をはせた。本館の建て替えは創業以来初となる。

 横浜はラグビーW杯などのビッグイベントを控えて、海外からの賓客も続々と来訪することが見込まれており、VIP向けの貴賓室も設置する方針だ。李さんは「国内だけではなく、海外での認知度も高めていくために、いろいろとチャレンジしていきたい」と意気込む。

 2階建ての建物を7階建てにするリニューアル工事を経て、今年10月10日にグランドオープンする予定という。

 重慶飯店は、中華菓子や点心などを販売する直売店に加え、千葉市のイオンモール新都心内や関東学院大学横浜・金沢八景島キャンパス(横浜市金沢区)内で直営店「重慶厨房」を開業し、学食を提供するなど、販路を拡大している。

 ◆若年層らを開拓

 13日からは、県やコンビニエンスストア大手の「セブン-イレブン・ジャパン」とタッグを組み、県内産業を応援する取り組みとして「横浜中華街重慶飯店監修 海老チリ丼」(税込み498円)を東京と県内全店のセブン-イレブンで期間限定で販売する。

 平成26年9月から県産品を使用したコラボレーション商品を展開しており、リーズナブルな価格で“本場の中華料理”が味わえると好評だったという。

 さらに、ブランド力を生かしたフランチャイズチェーン(FC)の展開も開始。重慶厨房のブランドで、昨年4月にFCの1号店を山梨県上野原市の中央自動車道にある談合坂サービスエリア(SA)内に開業した。

 お手頃価格に設定して、ファミリー層や若年層を開拓したい考えだ。ほかにも、横浜市鶴見区の首都高速道路・大黒パーキングエリア(PA)のフードコートにも出店する予定。

 横浜中華街や東京などで展開する重慶飯店の客単価は、ランチが約2千~3千円、ディナーは約8千円。それに対して、重慶厨房は1千円前後とリーズナブルだ。

 李さんは「認知度を高め、新しい顧客作りに力を入れている。若い世代が横浜中華街に行きたいと思うきっかけになってほしい」と顧客層を開拓し、街の活性化につなげたい考えだ。

 ◆情報発信にも力

 情報発信にも力を入れており、ホームページ(HP)の立ち上げや写真投稿アプリ「インスタグラム」などのSNS(会員制交流サイト)も積極的に活用している。

 李さんは、横浜中華街発展会協同組合の理事長も務めている。「横浜中華街は、先人らが一歩一歩作り上げてきた街。その歴史や文化を受け継ぎ、多くの人に伝えていくことは大事なこと」とする。

 また、「観光客や常連客、地元の方々にも評価され続ける重慶飯店でありたい。本館は原点でありながら、これからの新しい出発点でもある」といい、「横浜が国際都市としてさらに発展する中で、横浜中華街が一つのシンボルになってほしい」と、李さんの次なる“夢”への挑戦は続く。(王美慧)

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 ■重慶飯店 横浜中華学院の教師などを務めた李海天氏が昭和34年に横浜中華街で創業し、四川料理の名店として評判となる。横浜中華街に本館、別館、新館、茶楼の4店舗があり、土産店のほか、東京都内や名古屋市、岡山市などでもレストラン経営や月餅などの売店を展開している。資本金は1千万円で、年間総売上額は約25億円。